経営者は、自分の強みを理解していますが、弱みについての認識が薄い傾向にあります。同時に、社会の変化に対する「脅威」については敏感ですが、「機会」に対して鈍感だったりします。

 

しかし、この「強み」「弱み」「機会」「脅威」をバランスよく認識しないと、経営方針に狂いが生じます。強みばかりを追求すると、弱みに足をすくわれます。

 

こんな話を聞きます。

 

事業が拡大し、支店の数が増え、社長の目の届かない状態が生まれました。当然、事業は右肩上がりなので、売上は増加します。すると、支店内に現金が滞留するようになります。経営者の目が届かない事を利用して、その現金を懐に入れる輩が出てきます。その理由は、単に現金がそこにあったという訳でなく、社長が部下を正当に評価しない点を不満に思った結果でした。社長は、優秀な部下を失い、多額の損失を被る事になりました。

 

つまり、会社が大きくなれば、内部統制(組織を定め、その役割を決め、仕事の手順を決め、それが守られているかをチェックする体制)が必要なのですが、その点が手薄(弱み)であったため発生した事件なのです。

 

特に、事業がうまくいっている時が、危険です。イケイケドンドン。事業は拡大しますが、内部統制が整備されていなければ、サービスレベルの低下を招き、知らぬ間に顧客満足度が低下し、本業にも影を落とす事になります。

 

弱みは、早く意識して、改善に取り組む必要があります。

 

同様に、「機会」と「脅威」についても同じ事が言えます。隆盛を極めている時は、「強み」しか目が行かない為、大切な機会を逃したり、気づかぬうちに脅威が増し、成長を阻害する場合もあります。

 

そういった意味で、最初に、自社のSWOT分析を行い、自社の状況を客観的に認識する事が大切です。

 

SWOT分析は、経営者だけでなく、幹部の方々にも参加してもらいます。例えば、「経理」や「営業」「開発部門」や「流通部門」の責任者にもSWOT分析表を作成してもらいます。

 

経営者は、経営会議等を通じて、様々な情報を収集して経営判断を行っていますが、その情報は、目先の業績に対する情報が主であり、各部門が考える「弱み」や「脅威」「機会」などの情報は伝わって来ないものです。

 

仮に、伝わっていたとしても、それらは各部門から寄せられたデータであり、体系的に整理された「情報」になっていない場合が殆どでしょう。

 

整理された情報を俯瞰すると、大きな流れが見えてきます。大きな課題として捉える事ができます。そして、今まで、自分の部門だけの課題であると考えていたことが、実は、全社的な課題である気づかされる場合もあります。

 

実は、これがSWOT分析の一番の目的なのです。同じ様式で、自分達の立場で、SWOT分析を行い、それを持ち寄って分析を行う。その結果、他部門が、何を課題として感じているか、また脅威と感じているかを理解できるようになります。

 

そして、自分の部門だけでは解決できない課題が沢山あり、上流から解決すれば、下流も助かり、全社的な生産性が上がる事を理解し始めます。

 

多くの場合、成績の評価は、部門単位の目標達成により行われます。しかも、相対的な評価であるため、全体最適を目指すと、他部門に塩を送る事になると勘違いしている場合があります。各部門の成果は、会社全体の成果に繋がらなければ意味がないのですが、組織横断的な活動を行わなければ、その点に気づくことは稀です。

 

このように、まず、自分自身の組織のSWOT分析を行い、それを持ち寄って分析し、会社全体のSWOT分析に進化させることで、全社的な課題と改善方針が見えて来ます。

 

そして、それを仕切る事ができるのが、社外からやって来た『ITC』なのです。

 

具体的な整理の方法は、別途お伝えしますが、今回は、SWOT分析の重要性を理解していただければ幸いです。