「成果主義」ときいて、いい気分になる方は少ないと思います。私自身も、「成果主義」で評価されていましたが、その評価が妥当であり、喜んで結果を受入れたという記憶は、全くありません。

 

 

「成果主義」の欠点は、人の能力を数値化して、優劣を付けて、評価して、給与に連動させるの一連の作業が機械的になされる点です。

 

組織は、成果を生む事が目的です。成果を生まない組織に存在意義はありません。企業に於ける成果は、利益であり、地方公共団体の成果は、地域振興や住民の幸福が成果です。病院であれば、患者の治療であり、学校であれば、人材育成が成果です。

 

そう言った意味で、成果を評価の対象とすることは、理に適っています。そして、組織の成果を、下位の部門が、それぞれの立場で達成するための目標を立て、そこに属する社員が組織の目標達成のために、自己の目標を設定する。

 

そして、自己の目標を達成するために、「何をなすべきか」を分かりやすい数字、例えば訪問件数や新規顧客獲得などの数字(KPI)を設定して、自己管理を行います。

 

ここで重要なのは、組織がKPIを評価の対象にしてはいけないという事です。KPIは、あくまで、自分が成果を達成するための客観的な指標であって、組織として達成する目標では無いからです。

 

ここを履き違えているケースが散見されます。プロセスを評価する文化も大切だといわれていますが、私は違うと思っています。

 

社員の行動全てをKPIで表現できる訳がありません。成果を上げている人は、プライベートの時間を犠牲にしても自己の能力開発に努めているかもしれませんし、いつもKPIを達成していても、自己研鑽に無頓着であり、信頼を得る事ができずに成果が出ない人もいます。

 

だから、評価すべきは、「成果」だけなのです。

 

もう一つ重要な間違いがあります。

それは、成果と賃金を連動させることです。

 

これは、最悪です。最近の研究では、労働と賃金を結びつけると、生産性(やる気)が落ちるということが分かってきました。だから、目標達成で社員の給与を上げたり、成果の達成率が高い社員を早く出世させるなどの行為は悪影響しかありません。

 

このように、成果主義は悪い点ばかりある精度ですが、成果を客観的に見える化する事は重要です。進捗状況を見ながら上司が適切なアドバイスを行う事は重要です。しかし、目標の成否やKPIの達成などをダイレクトに人事に反映することだけが問題なのです。

 

仕事での成果は、仕事で応える。これだけで、組織は活性化します。特に中企業から大企業に脱皮しようとしている会社であればなおさらです。

 

ITコーディネータが、この単純な理論を理解して、簡単な仕組みを提案しては如何でしょうか。

 

 

例えば、

企業の目的、目標を描き、その目標の下に、部門長の目標を登録し、その部門に属する社員は、部門長の目標を常に見える様な様式の目標シートに、自分の目標を入力します。

そして、月次で、その目標の達成度を自己評価するのです。

自己評価は、あくまで、自分の活動を反省する材料であり、上司がこの結果をもって評価する事を禁止します。

 

自己評価は客観性が必要なので、訪問件数や契約数、売上などの数字が望ましいですが、間接部門などは、定性的な目標でもいいでしょう。

 

そして、あくまで、評価は「成果」で行うが、「成果」が全てではなく、上司の全人格的評価、すなわち、評価者の主観で行うと宣言すべきです。

そして、給与は、概ね年功序列で引き上げて、成果の上がった社員には、より重要な仕事を任せ、権限の幅を広げてあげるのです。

 

結果、成果の上がった社員は、大きな仕事を次々と成功させ、社内でも一目置かれる存在になり、昇進についても皆が納得でき、社内融和が進み、評価された社員も、結果的に収入が増えるという塩梅です。

 

ITコーディネータとして、ここまで踏み込んだ提案をすべきか、否かは、議論があるところですが、最新の人事評価方法は、上記の考え方が広がっており、成果主義から年功序列型人事に戻している企業も増えています。

 

ITコーディネータの知識として知っていることは無駄ではないし、仮に、経営者が、古い成果主義の道に迷いこまないようにしてあげれれば、感謝されると思います。

 

現在、EGsuitに成果主義ベースの人事考課システムを設計しています。完成した暁には、是非、皆さんが支援している企業でご利用いただければと祈念しています。