「ほら。オレは大丈夫だって言ったじゃん」
「…うるさい」












しくった…



本番中だったし、別になんてこと無い振りして
なんだったらそんな事言ってない振りして
聞いてたとしてもそれ聞き間違ってるからね?
的な振りしてたけど、完全に皆気付いてる

え…?って、一瞬空気が揺れたのが分かった



アイツなんか普通に気付いてないで返事してるし
これじゃ普段から呼ばれ慣れてるってバレバレじゃねーか





『左にあるからね、まーく…相葉さんっ』
『おー』








収録終わって、楽屋に戻る
相葉くんはスタッフと話していたのか1番最後に部屋に戻ってきて
その扉が閉まった瞬間、それまで黙って着替えていた皆が喋り始めた


「おまえら変わってなくてよかったよ〜」
「本当。俺変にちょっと気ぃ使ってたわ」


リーダーと翔ちゃんに言われて、相葉くんは"え?なんの話?"って突然2人から言われて不思議な顔をしてた


「まだニノにまーくんって呼ばれてんだねって話」


肩にポンと手を置かれて潤くんに言われた相葉くんは、まぁー元が嘘つけない性分だからモロバレで。


「…えっ?なんで知ってんの?!」




(あーもーバカ)




「……いや、だってさっき呼ばれてたの気付いてないの?」
「え、うそ……言った?」


チラッと俺に視線を向けて聞いてきた相葉くんは、何も言えないでいる俺を見て察したらしい


「なんだよ。散々オレが無理だって言っといて…」
「うるせー。お前も普通に返事してんなよ」





仕方なく、相葉くんは俺に対して出る態度が違うから誤解を生むと経緯を説明すると
皆は何故か呆れ返った顔をし出した


「それ。そいつだけじゃん?つーか誰?どーせ新人だろ」
「みんな相葉ちゃんがニノにだけそーなの知ってるよ〜」
「それが嫌っての行動だとか、それで相葉くんの評価が下がるとか今更無くない?」


矢継ぎ早に皆に捲し立てられ、しまいには相葉くんまで皆に同調し出して完全に4対1だ


「ほら。オレは大丈夫だって言ったのにコイツ頑ななんだもん」
「……」
「巻き込まれて被害受けた俺達ね。あからさまじゃない分、なんっか変に気持ちわりぃし。ね、智くん?」
「うん」


確かに、リーダーや翔ちゃんに絡みにいく事が多かった分被害は…つーか被害ってひどくない?


「しょがないよ。ニノ昔っからじゃん。相葉くんの事になると冷静じゃなくなるの」


そう言って、じゃー俺先出るねーと潤くんにしては珍しく早々に出て行くと
それが締めとなってリーダーと翔ちゃんも、"あぁそうだった"と何故か納得しながら出て行った




残されたのは俺と、まだ衣装から着替えてもいない相葉くんの2人だけ




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「ほら。オレは大丈夫だって言ったじゃん」

「…うるさい」























この日はそのまま、2人でメシ食って帰った


もうやめよ。
そう話して、以前の状態に戻して

仕事場でも普通に話せるようになったけど、それでも家に行って2人で過ごす時間はなんか好きで
変わらずあった





そんな生活が何年も続いたある日





2回目の…


明確な始まりが起きる出来事に直面した