10月8日(火)晴

 

若松神社のお祭日。九時過ぎから子供三人連れてお詣りした。芳徳におはじきを買ってやった。色やら数を覚えさすために。今まで五銭で買っていたのに十二銭とはあきれた。峰子も少々遠目がきく様になって自動車の往来を一生懸命に見る。

 

数日前から芳徳の機嫌が悪いので、三日続けてマクニンを飲ましたら今日は大分無理を言わなくなった。川口様が芳徳を呼んで無花果を持たして下さった。

 

峰子の寝た間にと思って、ねんねこのへらを午後からしかけたが、途中で起きて困っていたら伊藤さんの奥様が抱いてくださったのでどうやら標(しるし)だけはつけられた。

 

何しろ大きな声で泣かれるので気がいらいらする。洗濯物のしきのし(*)、炊事場の片付けもの、おしめの洗濯、凡て(すべて)夜に残してあるので、やれやれと思ったら、大抵十時だ。中々針持つ暇がない。

 

今日からセルに着がえた。市場は公休日。

 

 

 

 *しきのし:洗った着物を生乾きのうちに畳み,ござなどの間に挟んで重しをしてしわを伸ばすこと。