10月6日(日)晴

(近頃野菜も目方売りになってちょっとまごつく)

 

朝から、しんし張りをする予定の中、峰子がよく泣くので思案ばかりしていたら、主人が今日は昼 松茸御飯をしてやろうとて かやくを刻んでくれたのでお守りをしながら炊いた。大根、牛蒡、揚等も入れたら余計においしく皆舌鼓をうって食べた。芳徳は近頃御飯を一椀ずつしかいけないのが二杯も食べた。

 

午後から峰子が寝たのでねんねこを張った。都合よく二時間あまり眠ったので板張りまでして一枚分完全に張れてうれしかった。主人は午前から畠を拡張に行き七時頃迄かかって三畦作った。

 

川口様からは茄子、三度豆、甘藷、無花果、コスモスを戴いた。早速おいもを蒸したら栗薩で子供は大喜びだった。とりたては一層おいしい。コスモスも壺に入れたら座敷が明るくなった。

 

            コスモスをいけて単衣(ひとえ)の始末かな

 

昌夫が畑を手伝いに行って「お父さんに買ってもらった」とて林檎と蜜柑を持って帰った。初物の蜜柑を仏様に供えて一個を芳徳と三人で分けて食べたが案外甘かった。夕方畠へ行ったら芳徳が鋤(すき)に半分程土をすくって歩いたので 割合力のあるものだと驚いた。