食堂と呼ばれてた8畳の部屋に、この免許証が飾ってある。
ナカちゃんが調理師免許を持ってることは知ってたけど、改めてじっくり見てみると、取得したのは昭和38年だった。
etekoが8歳の頃だよ。
etekoの記憶の中には、ナカちゃんが調理師学校とか通ってたと言う事は記憶にないよ。
ナカちゃんもそんなことは、etekoに一言もかたらなかったよ。
そう言えば、運転免許もこのころ取得したんじゃないのかなあ。
その話も聞いたことないなあ。
学校から帰ると、ナカちゃんはいつも家にいたなあ。
調理師の腕は、発揮してたのかなあ。
自動車免許の方は、一度も運転しないで、免許書を返しちゃったよ。
ハンドルを握ってると、手が痛くなると言って、車を運転しなかったよ。
免許を取ったころから、糖尿病の症状があったみたい。
平成の時代になった頃に、etekoは、大きなゴルフコンペで、賞品で、産地直送の冷凍カツオをげっとしたよ。
氷詰めの箱の中に、カツオが、丸ごと一匹はいってたよ。
コンペの司会者が、賞品を手渡してくれる時に、「ゴルフ場の近場の料理屋さんにもって行けば、さばいてくれることになってます。」、と言ってた。
etekoは、「家でさばけるので、いいです。」、と断ったよ。
カツオは、箱のまま持ち帰って、ナカちゃんにさばいてもらった。
何日もカツオの刺身が続いたよ。