また映画のお話で申し訳ない…

久しぶりに、これぞフランス映画といったものを見ました。

「午後8時の訪問者」

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淡々と、しかし一瞬たりとも途切れない緊張感が好きです。

先日書いた「美女の野獣」は素晴らしい音にあふれ、音楽をまとった映画でしたが、
こちらは音楽が全く使われていません。
それだけに、何度も出てくる診療所のベルの音、携帯のバイブ、息づかい…が際立ち、特にベルが鳴る度ビクッとなります。
このベルの音こそが物語のポイントとなり、主人公の心を脅かす存在だということはご覧になるとわかると思うのですが…この手法は見事だなと思います。

人物の感情が動いた時に流れることが多い音楽の存在。
美女と野獣やララランドなんて、音楽が流れるだけでなく歌っちゃうのだから、とても分かりやすいですよね。
しかし、この映画では感情のバックアップ効果の音楽がないどころか、大げさな表現が一切ありません。ほとんど主人公の表情は最初から最後まで変わりません。
手が少し震えたり、少しだけ寄る眉間のシワがあるだけ。彼女は一見無機質な目で何を見ているんだろうと探しながら映画を観ました。