藤:おい〇〇!ここのグラフまた間違えてんで

〇:藤吉課長すみません!

藤:はぁっ…もう今月で何回目やねん…

〇:すみません!

藤:そうやって毎回謝ってるけどさぁ…

〇:はい…

藤:正直改善する気持ちが見えないねん

〇:…

藤:もうクビね

〇:えっ…

藤:ほらさっさと出ていけ部外者

〇:…転職するか






森:本日は弊社の中途採用にお越し頂きありがとうございます

〇:よろしくお願いします

森:えっと早速で申し訳ないんですけども前職は化粧品関係の会社ではないんですよね?

〇:えっまぁ…

森:募集要項に書いてあるとおりうちの中途採用は化粧品関係以外は採用しないんですよね…

〇:あぁっなるほど…

森:すみません…






玲:なるほど…ちなみに前職はどうして退職を

〇:実は…ちょっと成績が悪くて…

玲:うーん仕事出来なくて解雇はちょっと…

〇:そうですか…




麗:えっと〇〇さんだっけ?

〇:あっはい

麗:なんか顔がぱっとしてないから不合格ね♪ 

〇:はい…

このように転職活動が上手く行かなかった。…いや最初の2社の理由はまだ分かるけど最後の理由まじで何だよ

〇:ヤバいヤバい結局30社全部落ちた…貯金も底を着いたしもう終わりだ…(バタッ)







〇:はぁ…って何だ夢か…えっ!もうこんな時間だ!ヤバい急がないとパワハラ上司にぶち〇される!

ぐぅ~(お腹がなる)

〇:うぅっお腹空いたぁ…しょうがないあそこ行こう







優:いらっしゃいませ!

〇:すみません!鶏の釜飯ご飯300グラムお願いします!

優:はいよぉ〜

〇:(えっと今日の商談は…

優:はいお待ちどうさま!300円やで~

〇:あっ500円でお願いします

優:はい200円のお釣りです…お仕事頑張ってな!

ここの釜飯は早いのにボリュームがとても凄く、尚且つ500円玉でお釣りが出てくる程安い、まぁご飯の量は感覚だから日によって全然違うけど…

そして何より店員の娘がめちゃくちゃ美人で癒やされる…いやてかそんなこと話してる暇無かったわ



〇:危ねギリギリセーフ

小:あっ〇〇さんおはようございます♪

〇:大島さんおはよ

小:小島だよ!ちょっとやめてくださいよ(笑)


この娘は新入社員の小島凪沙さん

こんなブラックな職場なのにいつも元気で明るくて正直尊敬してる…



〇:ぐぅ~(お腹が鳴る)

小:あれっ朝ご飯食べてないんですか?

〇:あっそうだやべぇ

(釜飯をかき込む)

〇:ごちそう様でした

小:早っ!

〇:さぁ9時になった仕事しなきゃ

言い忘れてたけど釜飯だから早食い出来るのも魅力なんだよねぇ~まぁ皆はゆっくり噛んで食べてね




AM10:00




小:〇〇さん!今日こそお昼一緒に食べませんか?

藤:…

〇:あぁっいいy

藤:〇〇!今朝頼んだ資料作成の進捗状況は?

〇:えっと…50%ぐらいです

藤:遅い!明日の午前中チェックするから今日中に終わらせといて!

〇:…わかりました…

藤:あとお昼に澤部商事に商談行くの忘れないでね

〇:えっとお昼ですか?

藤:何?文句でもあるの?

〇:いやお昼だと相手さんの邪魔になるかと…

藤:はぁっ…君大して業績出してる訳でもないのによく上司に口出しできるね

〇:いえそういうつもりは…

藤:君は上司の命令聞いてればいいの!わかった?

〇:…はい

藤:はぁ…じゃあよろしくね

小:…

〇:…という訳だからごめんね…

小:いえ!全然大丈夫です!(笑)

藤:…


〇:…という感じなんですけどいかがでしょうか?

澤:…あのさ

〇:はい

澤:営業成績の為に頑張ってるのは分かるけどさ

〇:はい

澤:昼休憩に来るの止めてくれないかな

〇:…

澤:どう考えてもせっかくの昼休憩に営業の話しが来ても困るの分からないかな?

〇:すみませんでした…

澤:この案だってリスクの事を詳しく書かずに強みばかりを書いている

〇:…

澤:そうやってお客様の事を考えられない会社とは契約したくないんだよ

〇:どうかそう言わずに…

澤:もうこの会社には二度と来ないでくれ!上司にも言っとけよ!帰れ!


〇:はぁ…そんなこと俺に言われてもなぁ
(時計を見る)

12:50

〇:ヤバいあと5分しかない!急いで昼飯食わないと!

優:あっ!朝のお兄さんいらっしゃい!

〇:すみません!鶏の釜飯ご飯300グラムで!

優:毎度あり〜どうぞ

〇:じゃあ五百円で

優:200円のお釣りです〜兄さんまた来てな〜

〇:はい(ご飯をかき込む)

〇:危ね何とか間に合った

PM18:00

〇:あっ18時か

一応この会社は18時が定時である。まぁどうせ僕だけ帰れないから何とも思わないんだけど

〇:ふぅ…やっとこの案件終わったぁ次は午前の続きの仕事やるか…

小:〇〇さん!藤吉課長がなんか呼んでますよ?

〇:えっまた?

小:はい!それじゃあお先に失礼しま〜す

〇:お疲れ様〜

〇:(はぁっまた怒られるのかなぁ…)

〇:あのぉ藤吉さん…

藤:ちょっと〇〇君あなた派手にやってくれたわね

きっとお昼の澤部商事との事だろう

藤:澤部商事から物凄い怒りの電話が来たのよ

〇:すみませんでした…

藤:どうしてくれんのよ!もう取り引きしないって言ってきたんだよ!すみませんで済む話しじゃないでしょ!

〇:いやでも僕は午前中に

藤:今はそういう話をしてるんじゃないの!これは貴方の仕事なんだからあなたに責任があるのよ?

〇:…

藤:あんたさぁどうすんの?このままじゃクビだよ?だいたい朝頼んだ仕事出来てんの?

〇:いや80%しか

藤:えっまだ出来てないの?!

〇:はい…

藤:あんた営業も出来ない、資料も作れない、進捗状況も悪い、業績も大した事ない、上司の命令も聞けない…

〇:…

藤:ホントにあんたよくこの会社残ってんね!後輩のこんなぎちゃんとイチャイチャしてないで仕事しなよ!

〇:すみません…

藤:だから謝って済む話しじゃないって言ってるでしょ!そうやって毎回毎回謝るのだけは一丁前でさぁ!もう良い誠意としてこの追加の仕事終わるまで帰るな!明日の朝出来てなかったらもうクビだからね!じゃあ私は先に帰るから!

〇:…

なんで俺ばっかりこんなに辛い目に合うんだろう…絶対悪くないのにしっかり言い切れない自分にも嫌気が差すし、もう人間と関わりたくないし○にたいなぁ…どうせ俺が居なくなったって誰も困らないだろうし

〇:はぁ終わったぁ…もう10時半か…最後にあの弁当食べるか…

優:あっ兄さんいらっしゃい!

〇:…鶏の釜飯ご飯300グラムで…

優:兄さん元気ないで?どうしたん?

〇:いや別にいつものことですよアッハハ

優:仕事やろ?

〇:えっ

優:仕事で何かあったんやろ?私いつもお兄さんのことよく見てるから分かるよ

〇:はい…実は仕事で上司にミスをされて、取り引き中止になってもう辛いなぁって

優:そっかぁ…

〇:ごめんなさいねこんな話しして…そもそも自分が頑張ってないだけなのに…

優:ゆったんなぁ…会社でのお兄さんの事はあんまりよく分からんけどいつも鶏の釜飯買いに来てくれる〇〇さんを見てるからどうしても頑張ってないとは思えないんだ

〇:…

優:正直この仕事しんどくて嫌だなと思ってたけどいつもお兄さんの顔見るとやる気が出てくるんだ…だから頑張って欲しいなぁ…

〇:店員さん…

優:あっそうだ!

〇:?

優:お兄さんクビになりそうだったんならうちで一緒に働かへん?

〇:え?良いんですか?

優:ちょうど店長さんも働き手少なくて困ってるって言ってたから(笑)

〇:ありがとう!そう言えばお名前は?僕は〇〇です。

優:私は中嶋優月です!ゆったんって呼んでな!

〇:いきなりは(笑)

優:あっそうだ(笑)もうすぐ店締めるからちょっと待っててな(笑)

〇:あっ分かった(笑)



5分後

優:あっごめんな

〇:ううん全然大丈夫だよ(笑)

優:もう一つ提案なんだけどさ…

〇:?

優:ゆったんと付き合ってくれませんか?

〇:えっ!?

優:実は〇〇に一目惚れしてたけん

〇:俺も優月さん目当てでこの店来てたんだ!

優:えっそれって…

〇:はい!是非よろしくお願いします!

優:やったぁ!〇〇が私の彼氏になった!

〇:ふふっ俺も嬉しいよ(笑)

優:ねぇねぇ?

〇:うん?

チュッ♡

優:私のファーストキスやけん…大事にしてな?

〇:うん…大事にする

チュッ♡

優:もう勘弁して(笑)

〇:アハハ(笑)


翌日退職届を出した。
色んな人達に驚かれたけど特に小島さんと藤吉さんにはめっちゃくちゃ驚かれた

優:〇〇!何ボッーとしとるん?サボってたら今夜一緒に寝へんで!

〇:ごめんごめん優月に見惚れた(笑)今からご飯炊くから(笑)

優:もぉ(笑)