旅の11日目。
この日はヘルシンキを朝早く出て、北極圏のイバロまで飛行機で飛んだ。
イバロの空港から約30㎞ほど離れたサーリセルカという、フンランド最北のリゾートで3泊4日のステイ。
ここへ来るのは、幼い日の子どもたちとの約束。
毎晩絵本の読み聞かせをしているころ、子どもたちは「サンタクロース」という絵本が好きで、本が擦り切れるほど読んだ。
その本の中に、サンタさんの住んでいる場所のことや一緒に暮らしている小人たちの暮らしが生き生きと描かれていて、いつかここに行こうねと約束したのだった。
それから、いつしかサンタクロースは子どもたちにとってリアルではなくなり、サンタさんに会いに行くという約束もすっかり忘れられてしまったけど、ママは覚えていたんだよ。
いつか絶対一緒にサンタさんのふるさとに行こうって。
そして、もう一つの約束。
それは果たすことのできなかった約束。
2年前に急逝した母に、オーロラを見に連れて行って欲しいと頼まれたとき、自分の仕事が忙しくて、「時間が作れたら行こうね」なんて空約束してそのままに。
とうとうかなわぬ約束となってしまった。
だから、今回はその母の魂と一緒にここにやってきた。
「お母さんが生きているときに連れて来れなくてごめんね」って言いながら。
お母さん、ここがオーロラの見れる場所だよ。
いくつもの約束に導かれてやってきた北極圏の小さな町。
ずっと太陽が顔を出さずに、昼間なのか夜なのかわからない不思議なところ。
凍えるほど寒いけど、雪はそうでもなくて、今まで経験のないほどのパウダースノー。
この場所で過ごす家族そろってのクリスマスイブ。
これはサンタさんからのプレゼントなのかな。