春めいたまぶしい日差しに誘われて、海へ。
ほんとに、いつもいつも美しい海。
OC-1に乗って、SUPの仲間たちと尾が島を目指して漕いだ。
ときおりうねりの入る海。
日差しに誘われて、覗き込んだ海の中に、いくつもの魚の影を見つけた。

ふと海面を泳いでくる魚を見つけた。
誰だろうと目を凝らすと、大きなゴンズイ。
ゴンズイと言えば毒を持つ魚として有名。
釣り人がゴンズイをひっかけると、手で触らずにはさみで糸を切ってしまうほど。
小さい時はゴンズイ玉といって、たくさんの幼魚が固まって、玉のように重なり合って泳いでいる姿を見かける。
そのゴンズイの大人のようだ。
よく見ると、しっぽのあたりの皮膚が病気にかかったように剥がれているところがある。
なんだかくたびれた感じ。
もうそろそろ、寿命の尽きかけたお年寄りのようだ。
海面のあたりを必死に泳いでいるけど、もう表面に浮いているだけで深みに潜ることはできない。
じっと見ていると、ゴンズイと目が合った。
ナマズ顔のちょっととぼけた表情。
でも、自分の寿命が尽きかけていることが分かっているのか、なんだか澄んだまっすぐの瞳だった。
しばし見詰め合った後、ゴンズイはそのまま沖へと向かって、海面を泳ぎ始めた。
いったい、どこまで泳いでいけるだろう。
そのうち、鳥に見つかって食べられるんじゃないのかな。
生まれてくる命もあれば、そうやって終わる命もある。
終わりつつある命と出会うと、ちょっと切ない。