ミカンハウスの私道をはさんだ反対側の、小さな緑地に大きなヤナギの木が生えていた。
 
家を立てる土地を見に来て、海と富士山が見えること、そして道路を挟んで大きなヤナギの木があるのが気に入って、この場所にミカンハウスを建てたのがもう6年前。
 
大きなヤナギの木の枝垂れた枝が、まるで緑のカーテンのようで、手作りのデッキの前でさやさや揺れて、住宅地側の視線をいい感じにさえぎっていてくれた。
 
このヤナギの生えている緑地を手入れして、ヤナギ森と命名し、アジサイやメドーセージ、ノースポール、パンジー、マーガレット、ハマユウ、ミント、ムスカリ、アジュガなどなど。いろんな草花を植えて、ちょっとした植え込みを作ったりもしていた。
 
 (↑これまでのヤナギの姿)
 
ただ、そのヤナギはかなりの老木で、幹にキノコが生えたりしていて、そろそろ終わりが近いのかなとも思っていた。
 
この秋、台風15号が湘南を直撃した。雨はさほどではなかったけど、風がびゅうびゅう吹いて
鎌倉では土砂崩れで家がつぶされたり、葉山でも、ブロック塀が壊れたり、家の壁が崩れたりしたところがあったようだ。
 
その大風が吹いたとき、我が家のデッキ前のヤナギの木が、この世の終わりのように吹き殴られて、今にも倒れてしまいそうになぶられていた。
 
そのときの様子を動画撮影したのが以下の画像。
 
 
 
 
あまりに吹きなぶられるので、だんなが心配して見に行ったら、幹に亀裂が入り、根元のうろが大きく壊れかけていて、かなり危険な状況とか。
 
枝が電線にかかっていて、風が吹くたびに、電線も一緒にたわんで切れるんじゃないかとどきどき(汗)。一応、町役場に、ヤナギの枝が電線を切りそうになっていると電話だけ入れたが、切れたわけじゃなければ見に来てくれるわけでもなさそうだった。
 
電線より何よりも、大好きなヤナギがだめになったらどうしようと、ヤナギが大きくたわむたびに「ヤナギ、がんばれ!」と何度も声をかけながら、気が気じゃないひと時を過ごした。

台風が過ぎ去って、ヤナギの様子を見に行くと、満身創痍で、根元のうろが壊れかけていてけっこう危険な状況。これは切り倒すしかないかなと思ったけど、この場所にこのヤナギがなくなるなんて考えられなくて、町に連絡するのも気が進まず、そのままにしておいた。
 
そうこうしているうちに、おととい外からやけにチェーンソーの音が響いてきたのに気がついた。
 
何だろうと外に出ると、町の職員らしい人が数人来て、ヤナギの木を切り始めていた。
 
「あの~、ヤナギの木を切るんですか?」と聞くと、そうですと涼しい顔。以前、この木は町の木だと聞いたことがあった。敷地は我が家も持分のある共有地なんだけど、木だけは権利が違うようだった。
 
だから、土地の持ち主である我が家にもなんの断りもなくヤナギを切っているのだろう。それにしても、私の大好きなヤナギ。手入れをしているヤナギ森のシンボルの木。突然お別れなんて、心の準備もできていないし、大ショック。
 
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とにかく、大好きなヤナギが切られていく様子をじっと見守った。チェーンソーが幹を切り落とすたびに、なんか心が痛くなった。
 
さよなら、ヤナギ。
 
途中、ふとこの木をもらうことを思いついた。我が家は薪ストーブだし、伐採ゴミとしてヤナギが捨てられるぐらいなら、我が家のストーブで、燃え尽きておしまいになるまでその炎を見守ろう。
 
そこで、ある程度の木の枝から、大きな幹まで置いていってもらうことにした。
 
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これから1年ほど乾燥させて、この冬ではなく、次の冬に我が家のストーブでもう一度活躍してね。
 
ヤナギを切り倒して、家の前にぽっかりと大きな空間が空いた。ヤナギのあったところを、風が固まって吹きぬけていく。
 
この空間と同じぐらい、私の心にも穴が開いた。ヤナギ森を通るたび、ヤナギの木を懐かしんで、しばらくはさびしい日々が続きそう。