春一番が吹いたら 午後5時40分。 夕日が沈んだ浜辺に、風がびゅうびゅう吹き抜けていた。 春一番が吹いた今日。 久しぶりに、波がズズーン、ザザーンとお腹に響くような音を立てて挑みかかってくる。 「さよなら」。 夕日の赤いマントのすそがひらひらと、海の向こうに見えなくなっていった。