
ヨーロッパのクリスマスは、日本のお正月のような感じ。外に繰り出して賑やかに楽しむというのではなく、家族や親族が集まって、絆を深めながら伝統のクリスマス料理を食べるというのがメイン。
なので、どこもかしこもお店などは閉まり(もっとも、日曜日はいつもお店が閉まっているのが普通だが)、街中は閑散として、通りは寂しい限り。みんな暖かい家の中で、ツリーを囲み、プレゼントを交換したり、おご馳走を食べたり。
最初のクリスマスは、イタリア人の友人が自宅に招待してくれて、イタリアのクリスマスとお正月を体験した。
ローマから北に100kmほどのところにある中世の町で迎えたホリデーシーズンは、古びた町並みの中に、いろんな伝統行事が伝えられていて、なかなか面白い体験が出来た。
滞在中は、小くて古い教会のクリスマスの人形飾りを見に行ったり、食材の買出しに行ったり。どんなディナーにも必ずパスタとワインがつくのがイタリアらしい食卓だった。
一番印象的だったのは、1月1日になった瞬間に、窓からお皿を外に放り投げるというもの。あちこちでパリン、バリンと大きな音が響いてきて、もし通行人がいたらけが人続出というところ。みんな知ってるからこの時間、外を歩いている人なんかいないけど。
次の年は、その時住んでいたイギリス人の友人の家族とのクリスマス。ツリーの下にはプレゼント。私まで靴下をもらって、下げて寝たら、翌朝、中にお菓子がぎっしり。
これイギリスの子どもへのプレゼント。私も子ども並みにお菓子をもらって大喜び。クリスマスプディング(日持ちのするフルーツケーキ)の中には、ラッキーコインが隠されていて、もちろん私のプディングの中にもちゃんともぐりこんでいた。みんな優しいなー。
おご馳走ばかり食べるので、食後は近くの森にみんなで腹ごなしの散歩に出かける。しんしんと冷える湿った森の中で、油びきのバーバーのコートやウエリントンのラバーブーツが大活躍。こんなミゼラブルな季節に森の中を散歩するというのにも驚いたのだが、こうしてあるがままの自然に素朴に親しむ習慣は、すごく好ましかった。
日本に帰ってきて、わたしも家族と季節を問わず森の中を散歩したいと思ったのだが、そんな寒いことイヤだとみんなから却下。せっかくいいもの買ったのに、日本ではあまり着る機会もなくなって、少し寂しい。
このホリデーシーズンに飲むのが甘いホットワイン。甘くてスパイスがきいていてすごく美味しい。一口飲んで大好きになってしまった。私の思い出のクリスマスの味。
たぶん、ほんとうのお酒好きの人はあまり飲まないんじゃないかな。私のようにエセ酒好き(お菓子やチョコレートに入ったお酒が一番好き)にぴったりの飲み物だ。
グラスに入れるよりカップで温めたワインをフーフー吹きながら飲むのが正しい。今回買ったのは、スゥーデンのグロッグという赤ワイン。イケアで購入してきた。スゥエーデンのクッキーやマシュマロなどは甘すぎて食べられないのだが、これだけは大丈夫。
中に砂糖、シナモン、カルダモン、ビターオレンジ、クローブ、マディラ、バニラ、ショウガが入っていて、スパイシーな甘さがくせになる。確かイギリスではジンジャーワインと呼んでいたような気がする。
温めると、スパイスのいい香りが鼻にツーんと沁みる。じつはこれはこの冬2本目。最初はドイツのグートロイトハウスのグリューワインを飲んだ。
寒い夜。外の冷たい景色を眺めながら、温めた甘いワインを小さなカップに1杯飲む。これ、この季節の大きな楽しみ。
このワインを飲むと、ヨーロッパでのクリスマスを思い出す。