私の生まれ育った町に、昔からある餅菓子。柚餅子と書いてゆべしと呼ぶ。私は昔からこれが大好物。先日、母と旅行に行った際、ふるさとからこの餅菓子を買ってきてくれたのだ。
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この餅菓子の歴史は古く、というか私の住んでいた町の歴史も古く、一番栄えていたのが南北朝時代。その時の町の殿様が、南朝方について、結局滅びてしまったのだが、そのころ戦に出かける時に非常食として持って行ったものがこの餅菓子の原型だとか。

だから、すごく素朴な食べ物。もち米、米、砂糖、味噌、柚が入っているだけ。それを竹の皮に包んであるので、とても香りがいい。

見た目は大男の舌みたい。薄くて長方形。それがあめ色でつやつやしている。一口かじると、ほんのりした甘さの中に、柚や竹の馥郁とした香りがして、なんともいえない豊かな風味となって口の中に広がる。
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私のふるさとでは3軒ほどのお店が柚餅子を作っていたけど、今はどうなんだろう。こんな日持ちのしない、素朴なお菓子というのが、そもそも最近珍しい。いつまでも、この餅菓子がなくなりませんように。

昔から変わらない味というのは、幸せな子ども時代のいろんな思い出を引き連れてきて、よりいっそう味わいが増す。今でも大好きな、幸せな味のする柚餅子だ。