

それがグレコマとの出会い。
我が家に一株だけ連れ帰ってきたグレコマは、どんどん増殖して、植えた花壇の縁を、ぐるりと取り囲みそうな勢いで茂った。
この冬、少し花壇の整理をした。縁にわさわさと茂ったグレコマも根っこを切らないように抜いて、別の場所に植え替えたりなど、引越しが続いた。
ようやく別の場所に根付いて、また暖かい日差しに、ほんのりと赤みを帯びた新しい葉っぱが出始めた。
よく見ると、グレコマの赤ちゃん葉っぱは、丸い両手を閉じたまま、そう、さながら祈りをささげるときの手のような感じに双葉が出てくる。
祈りをささげる両手が、いつしかほどけてきて、少しづつ指先から開き始め、次には手のひらを合わせたまま、指先は別々の方向に思い切り反らせる。
それから、最後には完全に左右に開ききって、よく見かけるグレコマらしい姿で、地面を丸い葉っぱで飾るのだ。
春の日差しに誘われて出てきたグレコマの小さな葉っぱは、いったい何を祈っているんだろう。