
その雨も次第にやんできたころ、ふと窓の外に目をやると、4メートルほどの擁壁の下からそびえている大きなヤナギの木の上の方の枝に子猫がいるのを見つけた。もう、びっくり。高さ的にはわが家の2階ぐらいの枝の上。根元からだと5メートルぐらいはある高さのところだ。
激しい雨を避けて登ったのか。何か(リスとか)を追いかけて登ったのか。見つけてしまうと、もう気が気ではない。もし風が吹いて枝が揺れたら・・・、下りようとして足をすべらせたら・・・。地面に落ちて死んじゃったらどうしよう。
部屋の中から家族で見守りながら、どうやって助けるか、あーでもない、こーでもないと話し合った。こんな時はやはり消防に電話して、レスキューしてもらわないときっと一人では下りられないと私。いや、ネコだから、意外に高いところでも平気で下りてくる可能性があるので、もう少し見守った方がいいとダンナ。
確かにミャアミャア鳴いてはいない。それでも、何かの弾みでもし落ちちゃったら・・・。でも、消防を呼んで助けてもらったときに、どこのネコだということになり、野良だとわかったら、保健所に連れて行かれるのではないかという心配も出てきた。
そんなことでもめていると「あっ、ネコがいなくなった!」とダンナ。そう言い置いて外に飛び出していった。窓の外を慌てて見ると本当に枝の上にネコがいない。落ちたのか! もう、心臓がバクバクなった。
地面に落ちて血まみれになっていたらどうしよう。そう思うと、私は外にも行けない。どうか助かっていますように・・・。
外からは騒ぎ声は聞こえてこない。「ネコ、どうだった」と恐る恐る声をかけると、「うん、自分で上手に下りていったよ」とダンナ。木の幹にしっかり爪を立てながら、軽々と下りていったらしい。
「消防に電話しなくてよかったね。駆けつけてきて、いなくなりましたって言いにくいもんね」とダンナはニヤニヤ笑っている。しかし、尋常な高さではなかったのだ。しかも、子猫だし。やはり野良はたくましい。というか、私が過保護なのかな。とにかく、何事もなくてほんとよかった。