

今朝は、辺りが柔らかく光るアイボリーの霧にひたひたと満たされていた。いつもの散歩道も、森も、そして海岸も寄せては返す波も、霧のベールの向こう側に閉じこめられている。海は見えなくても、明るい霧は景色をいつもとは違った不思議な風景に仕立てて、何だかロマンチックな気分にしてくれる。
外を見ているうちに、霧の中でたゆたっている海が見たいと思った。新聞を広げると、今日は大潮と書いてある(汐見表をみるのも最近の習慣だ)。干潮時間は午前11時40分ぐらい。
私は、いつもは水の中だったところを、ひたひたと歩くのが好きだ。ここはひざぐらいの深さなんだとか、腰の深さだとか、すっかり引いてしまって見えない水を想像しながら波打ち際をてくてく歩く。
ククを連れ、いつもの海バッグを持って干潮時間の1時間前に海岸へ出かけた。真名瀬の海岸に出ると、霧のかかる岸辺で、打ち上げられた海草を拾っている人たちがたくさんいた。
長い棒で海に浮かぶ海草を引っかけたり、砂浜で拾ったり。とにかく何かイベントでもありそうなぐらい、たくさんの人が海草採りに没頭していた。私も探そうかなと思ったものの、せっかくの霧、その中をブラブラ歩きたいと、森戸神社裏の岩場へ回り、森戸海岸へと抜けた。
こちらの海岸は採取目的の人はほとんどいなかった。犬の散歩とヨット乗りの学生達。私はというと、かなり沖へ移動した波打ち際をひたすら歩いた。そして、貝殻やきれいな石を拾った。
「今日は、きれいなものだけを拾って帰ろう」と霧の中で決心した途端、前方に砂に埋まったワカメを発見! 目の前でそんなものを見つけるともういけない。それまでの、ロマンチックな貝拾い少女(?)という役どころはさっさと投げ捨てて、持参したビニールの袋を広げ、せっせとワカメ拾いに趣旨替えした。
ああ、やはり私の中で最優先なのは食欲なんだなーと、しみじみと再確認したのだった。