
東京のメガウェブで8月2日、レクサスレーシングのGTドライバーとファンが集う「LGDA夏祭り2014 」が開催された。真夏の恒例行事で、今年が9回目。会場には約2000人のファンが集まり、トークショーやラジコンレースなどを楽しんだ。
LGDAは、レクサスGTドライバーズ・アソシエイションの略。スーパーGTにレクサスレーシングから参戦しているドライバーで構成されている。会長は脇阪寿一、副会長は伊藤大輔。
ドライバーはレースの際、ファンの前に姿を現す。しかし、サーキットではレースに集中しているため、十分なファンサービスができない。その「罪滅ぼし」として、このようなイベントを開催するようになった。プロ野球で言えば、ファン感謝祭だ。

私はレースファンだが、このイベントを見たことがなかった。メガウェブにも行ったことがなかった。ずっと「どんなところなのかな…」と気になっていた。そこで、今年はイベントを見に行くことにした。
メガウェブは、お台場にある。JR新橋駅で電車を降り、ゆりかもめに乗り換えれば、なんの苦労もなく到着する。しかし、私はあえて別の方法で行くことにした。JR田町駅で電車を降り、そこからメガウェブまで歩くことにしたのだ。
なぜ、そんなことをしたのか?芝浦ふ頭とお台場を結ぶレインボーブリッジを歩いて渡りたかったからだ。その途中で都心部の写真も撮影したかった。だから、こんな面倒なことをしたのだ。

レインボーブリッジを歩いて渡るのは、初めてではない。10年ぐらい前にもやったことがある。橋の上から眺める都心部は、絶景だった。高層ビルが海の上に浮いているような感じがした。あの絶景が再び見られるとなれば、歩く労力など気にならない。
私は高層ビル好きである。小さい頃は、高層ビルの絵をよく描いていた。大人になっても、その趣味が続いている。新しい高層ビルが建設されるという情報をキャッチすると、すぐさまネットで詳細を調べるという習慣が身についている。だから、東京のどこにどんな高層ビルがあるか、おおよそ把握している。ただ、高層ビルヲタクの半田健人(俳優)ほどの知識はない。

レインボーブリッジでカメラを構えると、都心部の高層ビルが一挙に撮影できる。東京タワーもいい感じに入る。10年前は東京ミッドタウンと虎ノ門ヒルズはなかった。この2つのビルがレインボーブリッジからどんな風に見えるのか…それにも興味があった。
東京の空撮映像は、YouTubeなどで見られる。最も有名なのは、日本テレビの箱根駅伝中継(毎年1月2、3の両日)の映像だ。番組のエンディング。駅伝のハイライト映像が流れ、やがて東京の空撮映像に移行する。ヘリコプターを使わず、あの映像に近いものを撮影する方法はないか。結論は「レインボーブリッジから撮影する」だ。
この日は気温が30度以上あった。このため、JR田町駅―レインボーブリッジ間は、汗をダラダラとかきながら歩いた。レインボーブリッジの台座の施設(芝浦アンカレイジ)でエレベーターに乗り、橋の部分まで昇った。エレベーターを出ると、すぐ目の前に出口があった。そこから外に出ると、足元はもう歩道だ。
橋は2層構造で、上層が首都高、下層が一般道、ゆりかもめ、歩道になっている。歩道の上に首都高があるため、日差しの強さは緩和された。歩道の側面には高さ約2㍍の金網が設置されているので、落下の心配はない。一方で、金網が邪魔になり、写真を撮影することができない。
ただ、橋のほぼ中間にある展望スペースには金網がない。鉄の柵があるだけなので、ここでカメラを構えれば、いい写真が撮れる。
お台場側の台座にはエレベーターがない。代わりに歩道が地上まで延びている。角度がきついと危険なので、ゆったりとした坂になっている。その分、距離が長く、歩いている途中で「あと何㍍あるんだよ!」とイライラした。

地上に降りたときは、やれやれと思った。周りを見回すと、「お台場海浜公園」という看板があった。視界の先には奇妙な形をした建物があった。フジテレビの本社だ。その瞬間、フジテレビ社内の権力闘争を描いた中川一徳著『メディアの支配者』(講談社)=上・下=を思い出した。同本の装丁にも、この建物が描かれているからだ。設計者は丹下健三。東京都庁も丹下が設計した。これは単なる偶然ではない。『メディアの支配者』に、その理由が詳しく書いてある。
さらに歩くと、巨大な観覧車が見えてきた。メガウェブは、その近くにある。観覧車を目印にして適当に歩くと、いつのまにかメガウェブに到着した。JR田町駅から約1時間。意外と近いという印象を抱いた。
LGDA夏祭りの内容については、ここでは書かない。気になる人は、『オートスポーツ』のウェブ版を読んでほしい。

往路で体力を消耗したので、復路はゆりかもめに乗った。前に1度だけ乗ったことがある。空中を舞っているようで気分がよい。15分ぐらいで終点の新橋に着いた。
JR新橋駅の前で、汐留の高層ビルを撮影した。左手が汐留シティセンター、右手が日本テレビ本社だ。北側に目をやると、東京電力本店が見えた。福島県との因縁が深い、あの会社だ。ここで働く人々は少し前まで、エリートと呼ばれていた。この会社に入れば、一生安泰と言われていた。しかし、今は人前で会社名を言いづらくなった。原発事故が社員の運命を変えたのだ。

JR新橋駅のホームに立つと、開業したばかりの虎ノ門ヒルズが見えた。東京では、こうした巨大なビルが次々と建設されている。テナントは埋まるのだろうかと、他人事ながら心配になった。
JR福島駅に戻ったのは、午後10時ごろだった。駅の東側と西側をつなぐ通路にテレビがあり、話題の動画『HAPPY福島版』が上映されていた。数時間前に東京電力本店を見たので、何だか変な感じがした。

写真の説明(上から)
・東京タワーと周辺の高層ビル
・臨海部に建ち並ぶ高層ビル群
・汐留の高層ビル群
・レインボーブリッジ
・フジテレビ本社
・JR新橋駅から見た汐留の高層ビル
・東京電力本店
・『HAPPY福島版』