
自動車専門誌『ベストカー』を発行する講談社ビーシーが2012年12月、『ベストカーランキングスペシャル2013』という情報版を出した。ムック本の体裁をとっており、分量は130ページ。市販された車を国産コンパクトカー、同クーペ&オープン、同ミニバン、同ラグジュアリーセダン、輸入車などと細かく分類し、カテゴリー別にランキング付けしようという趣旨だ。価格は700円。
この中に「BC&BCプラス読者が選ぶカッコいい日本車&カッコ悪い日本車ランキング」「クルマ好き『憧れの1台』ランキング」という項目がある。これらはベストカーのメール会員にアンケートをとった上で、ランキングを作成した(ほかのランキングは主に評論家が作成)。
「カッコいい日本車」は過去も含めた全ての日本車、「カッコ悪い日本車」は現行の日本車、「憧れの1台」は輸入車を含めた全ての車(現行、過去車問わず)が対象になった。
私もその会員だったので、アンケートに答えた。カッコいい日本車は日産フェアレディZ(32型)、カッコ悪い日本車は日産ウイングロード、憧れの1台はランボルギーニミウラとし、それぞれに簡単なコメントを加えて、編集部にメールを送信した。
アンケートに答えてから、本が出るまで2か月ぐらいあったと思う。その間、どんな結果が出るんだろうかと少しドキドキした。
本の発売日に書店に駆け込み、さっそくページをめくった。結果は次の通りだった。
【カッコいい日本車】
①マツダFD型RX-7(1991年登場)28票
②ホンダNSX(1990年登場)15票
③日産R32スカイランGT-R(1989年登場)14票
④トヨタ2000GT(1967年登場)13票
⑤日産Z32フェアレディZ(1989年登場)11票
⑥いすゞ117クーペ(1967年登場)10票
⑦トヨタ2代目セリカXX(1981年登場)9票
⑧日産初代フェアレディZ(1969年登場)8票
⑨日産初代フェアレディZ240ZG(1971年登場)7票
⑩日産V36スカイラインクーペ(2007年登場)6票
順当な結果だろう。私が推した32型フェアレディZは5位。「オリジナリティのあるデザインだった。バブル期の日産車は総じてカッコよかった」というコメントも実名で載った。会員にアンケートをとった3つのランキングで、実名を出したのは私だけ。他の会員はペンネームだった。
前述したように、バブル期の日産車は総じてカッコよかった。ランク入りしたR32GT-R、Z32のほか、初代テラノ、S13シルビア、初代シーマもあった。しかし、その勢いは、長く続かなかった。ターニングポイントはインフィニティQ45(1989年登場)だったと思う。グリルレスのフロントマスクが高級車としては革新的すぎて、ライバルのトヨタセルシオに販売台数で完売。これ以降、日産車のデザインは急速に保守化し、どれも似たり寄ったりになった。業績も低迷。再建を果たすため、日産はルノーと提携し、カルロス・ゴーンを社長として招聘した。ゴーンはいすゞから中村史郎を引き抜き、デザイン部門の責任者に起用した。
【カッコ悪い日本車】
①日産ウイングロード
②スバルレガシィ
③日産マーチ
④トヨタマークXジオ
⑤トヨタbB
トップは、私も推したウイングロードだった。このランキングには票数が載ってないので、2位との票差は不明。私は、ウイングロードがダントツの票数を集めたので、編集部が配慮したと解釈している。カッコ悪いが、この車を見る機会は多い。営業車としてはダントツの販売台数なのではないか。個人ではなく、会社が買うケースが多いので、デザインのよし悪しはあまり関係ないのだろうか。
【憧れの1台】
①ポルシェ911(1964年登場)18票
②ランボルギーニカウンタック(1974年登場)15票
③ランボルギーニミウラ(1966年登場)12票
④フェラーリディーノ206/246(1968年登場)10票
⑤現行型日産GT-R(2007年登場)9票
⑥フェラーリ458イタリア(2009年登場)8票
⑦日産初代フェアレディZ(1969年登場)7票
⑧ホンダNSX(1990年登場)6票
⑧トヨタ2000GT(1967年登場)6票
⑩ランチアストラトス(1974年登場)4票
⑩レクサスLFA(2010年登場)4票
私が挙げたランボルギーニミウラは3位に入った。「私はスーパーカー世代。当時はカウンタックの人気が高かったが、私はミウラの方が格好いいと思っていた」というコメントも載った。
カウンタックのデザインは、やりすぎという感じがした。斬新すぎて、おもちゃっぽく見えた。その点、ミウラのデザインは落ち着いているという印象を持った。中日ドラゴンズの山本昌は、もはやクラシックカーとも呼べるミウラを所有している。盟友の山崎武司は、カウンタック派。ただ、所有したことはない。体が大きすぎて、乗れないのだ。ただ、山崎にとって、カウンタックはスーパーカーの代名詞であり、憧れの車でもある。雑誌などでは、しばしば「展示用として購入したい」と語っている。