話を東京電力のデータ改ざん問題に戻す。
不正行為の発覚後、東電の福島第一・第二、柏崎刈羽の3原発は緊急点検のため、運転を次々とストップした。これに伴い、関東が電力不足になる恐れが出てきた。「首都圏が3日間停電すれば、経済的な損失は1兆8000億円に上る」という試算もあった。関東では変電所のコンデンサーの能力不足で、1987年7月に1都4県の約280万戸への送電が止まった例がある。
この項目(5)で述べたように、福島県の佐藤栄佐久知事は福島第二原発3機の再稼働を求められた際、すんなりと同意した。その後、原子力政策に対する知識を増やしたことで、国と東電の姿勢に疑問を抱くようになった。このため、データ改ざんが発覚したときは、国と東電に強い態度をとった。一方で福島第一・第二原発の再稼働については、同意するともしないとも言わなかった。
関東の電力不足を恐れた関係者は、さまざまな形で佐藤知事に再稼働を働きかけた。
都議会自民党の山崎孝明幹事長(現・江東区長)ら6人は、福島県議会を訪問し、再稼働に協力を求めた。
「電源立地地域に対する都民の関心が低いのは事実で、立地地域の皆さんに対する感謝を伝えたかった。国の監督責任については、福島県民だけでなく、都民も強くぶつけていかなくてはならない」
また、連合東京の遠藤幸男事務局長、田辺順一副会長ら5人は、連合福島を訪れ、やはり再稼働に協力を求めた。
「我々は組織を挙げて節電に取り組んでおり、電力供給地の方にも首都圏の事情を理解してもらいたい」
読売新聞は2003年4月20日付の社説で、次のように指摘した。
〈もちろん安全を確認しないまま、見切り発車で再稼働するのは許されることではない。経済産業省原子力安全・保安院の検査が間に合わない場合は、節電と輪番停電で乗り切るしかない。
しかし、専門家が設定した基準に従って、保安院が厳しく検査した結果、問題がないと判定された原発は、早期に運転を再開すべきである〉
読売は、保安院が公正中立な機関だと認識していたのか。それとも、電力供給を優先するため、保安院の胡散臭さにはあえて触れなかったのか。
(つづく)
不正行為の発覚後、東電の福島第一・第二、柏崎刈羽の3原発は緊急点検のため、運転を次々とストップした。これに伴い、関東が電力不足になる恐れが出てきた。「首都圏が3日間停電すれば、経済的な損失は1兆8000億円に上る」という試算もあった。関東では変電所のコンデンサーの能力不足で、1987年7月に1都4県の約280万戸への送電が止まった例がある。
この項目(5)で述べたように、福島県の佐藤栄佐久知事は福島第二原発3機の再稼働を求められた際、すんなりと同意した。その後、原子力政策に対する知識を増やしたことで、国と東電の姿勢に疑問を抱くようになった。このため、データ改ざんが発覚したときは、国と東電に強い態度をとった。一方で福島第一・第二原発の再稼働については、同意するともしないとも言わなかった。
関東の電力不足を恐れた関係者は、さまざまな形で佐藤知事に再稼働を働きかけた。
都議会自民党の山崎孝明幹事長(現・江東区長)ら6人は、福島県議会を訪問し、再稼働に協力を求めた。
「電源立地地域に対する都民の関心が低いのは事実で、立地地域の皆さんに対する感謝を伝えたかった。国の監督責任については、福島県民だけでなく、都民も強くぶつけていかなくてはならない」
また、連合東京の遠藤幸男事務局長、田辺順一副会長ら5人は、連合福島を訪れ、やはり再稼働に協力を求めた。
「我々は組織を挙げて節電に取り組んでおり、電力供給地の方にも首都圏の事情を理解してもらいたい」
読売新聞は2003年4月20日付の社説で、次のように指摘した。
〈もちろん安全を確認しないまま、見切り発車で再稼働するのは許されることではない。経済産業省原子力安全・保安院の検査が間に合わない場合は、節電と輪番停電で乗り切るしかない。
しかし、専門家が設定した基準に従って、保安院が厳しく検査した結果、問題がないと判定された原発は、早期に運転を再開すべきである〉
読売は、保安院が公正中立な機関だと認識していたのか。それとも、電力供給を優先するため、保安院の胡散臭さにはあえて触れなかったのか。
(つづく)