清水正孝東京電力社長が口にした「撤退」は、部分、全面のどちらを意味していたのか。
東電側は部分撤退、官邸側は全面撤退だったと主張している。
これについて、民間事故調査委員会は全面撤退だったとほぼ結論づけている。
主な理由は、(1)東電は残すことを予定していたと主張するが、「必要な人員」の数や役職等につき何ら具体的に示していなかった(2)本調査でヒアリングを実施した多くの官邸関係者が一致して東京電力からの申し出を全面撤退と受け止めている―の2点だ。
清水社長が同調査委員会の面談に応じないことも、こうした結論が導き出される要因になった。
同調査委員会の報告書を基にして、当時の状況を振り返ってみよう(要約)。
清水社長は、官邸にいた海江田万里経産相や枝野幸男官房長官に電話で撤退を申し出た。作業員が現場から居なくなると、原発が制御できなくなる…。そう判断した官邸のメンバーは撤退を阻止するため、清水社長に再考を求めた。同時に菅首相にその事実を伝えた。
すると、菅首相は清水社長を官邸に呼び、「撤退なんてありえませんよ」と詰め寄った。清水社長は「はい」と回答したが、消え入るような声だった。
不安を抱いた菅首相は東電本社に乗り込み、幹部を前にして「撤退はありえない。撤退したら東電は潰れる」と言い渡した。
産経新聞(1月8日付)は、この騒動を「菅首相の勘違い」と報道した。
〈3月14日夜、2号機原子炉の破損を懸念した吉田所長が東電本店に「必要な人員を残して作業員を敷地外へ退避させるべきだ」と相談した際にも、「伝言ゲーム」の過程で誤解が生じた。
これを官邸側は「東電が全面撤退」と受け取り、菅氏は15日午前4時ごろに清水正孝社長を官邸に呼び出した。清水社長は「そんなことは考えていない」と明確に否定したが菅氏は納得せず、午前5時半ごろに東電本店に乗り込み、再び怒鳴り散らす〉
一方、国会事故調査委員会(前出の民間とは別組織)は3月14日、東電顧問の武藤栄前副社長から事故発生後の状況などについて聴取した。
武藤氏はこの騒動について、「一部の作業員の撤退は検討していたが、全面撤退の議論は一切なかった。(菅氏の言動には)違和感があった」と述べた。
(つづく)
東電側は部分撤退、官邸側は全面撤退だったと主張している。
これについて、民間事故調査委員会は全面撤退だったとほぼ結論づけている。
主な理由は、(1)東電は残すことを予定していたと主張するが、「必要な人員」の数や役職等につき何ら具体的に示していなかった(2)本調査でヒアリングを実施した多くの官邸関係者が一致して東京電力からの申し出を全面撤退と受け止めている―の2点だ。
清水社長が同調査委員会の面談に応じないことも、こうした結論が導き出される要因になった。
同調査委員会の報告書を基にして、当時の状況を振り返ってみよう(要約)。
清水社長は、官邸にいた海江田万里経産相や枝野幸男官房長官に電話で撤退を申し出た。作業員が現場から居なくなると、原発が制御できなくなる…。そう判断した官邸のメンバーは撤退を阻止するため、清水社長に再考を求めた。同時に菅首相にその事実を伝えた。
すると、菅首相は清水社長を官邸に呼び、「撤退なんてありえませんよ」と詰め寄った。清水社長は「はい」と回答したが、消え入るような声だった。
不安を抱いた菅首相は東電本社に乗り込み、幹部を前にして「撤退はありえない。撤退したら東電は潰れる」と言い渡した。
産経新聞(1月8日付)は、この騒動を「菅首相の勘違い」と報道した。
〈3月14日夜、2号機原子炉の破損を懸念した吉田所長が東電本店に「必要な人員を残して作業員を敷地外へ退避させるべきだ」と相談した際にも、「伝言ゲーム」の過程で誤解が生じた。
これを官邸側は「東電が全面撤退」と受け取り、菅氏は15日午前4時ごろに清水正孝社長を官邸に呼び出した。清水社長は「そんなことは考えていない」と明確に否定したが菅氏は納得せず、午前5時半ごろに東電本店に乗り込み、再び怒鳴り散らす〉
一方、国会事故調査委員会(前出の民間とは別組織)は3月14日、東電顧問の武藤栄前副社長から事故発生後の状況などについて聴取した。
武藤氏はこの騒動について、「一部の作業員の撤退は検討していたが、全面撤退の議論は一切なかった。(菅氏の言動には)違和感があった」と述べた。
(つづく)