『週刊東洋経済』5月15日号が「スポーツビジネス徹底解明」という特集を掲載している。ヨーロッパサッカー、Jリーグ、プロ野球、相撲、ゴルフ、フィギュアスケートなどをビジネスの視点から取り上げたもので、プロ野球の項目では二宮清純氏(スポーツジャーナリスト)が「現行12球団に4球団をプラスして、16球団体制にすべき」と訴えている。
16球団体制にするのは、プレーオフを充実させるためだ。まず16球団をセ・パ両リーグ8球団ずつに分ける。さらに各リーグを東・西両地区4球団ずつに分ける。2リーグ4地区制でペナントレースを行い、そこにインターリーグ(交流戦)を加える。各地区上位2球団にプレーオフ出場権を与え、勝ち抜き方式でリーグ優勝を決める。その上で日本シリーズを行い、日本一を決めるという方式だ。大リーグでは、すでにこうしたスタイルのポストシーズンゲームが行われている。

二宮氏は新しい4球団の本拠地候補として、松山、静岡、北信越(新潟か金沢)、南九州(宮崎か鹿児島か熊本)の名前を挙げている。松山は二宮氏の出身地でもある。
このうち、松山には坊ちゃんスタジアム、静岡には草薙球場、新潟にはハードオフエコスタジアム、宮崎にはサンマリンスタジアムがある。いずれも2万以上収容できるので、現状のままでもプロ野球の本拠地になりえる。

問題は各都市の市場規模だ。プロ野球の本拠地になったものの、スタジアムがガラガラでは選手たちがかわいそうだし、球団経営も成り立たない。1試合平均で1万3000人は動員できないと、新球団をつくる意味がない。
本拠地候補の中で最も可能性が高いのは新潟だろう。昨年、県立野球場(ハードオフエコスタジアム)が完成し、県内では13年ぶりにプロ1軍公式戦が行われた。収容人員は3万人で、地方球場(プロ本拠地以外)としては全国最高レベルにある。Kスタ宮城や横浜スタジアム以上の収容能力だ。この週末に行われた横浜対巨人の2連戦では計6万人近くを動員した。今年夏にはオールスターゲームの開催が予定されている。

新潟は人口80万人の政令指定都市。本州の日本海側では最大の都市だ。サッカーではアルビレックス新潟が1試合3万人以上を動員している。プロ野球の本拠地になりたいという意欲は十分で、独立リーグのBCリーグをつくったのも、その環境を整えるためだ。ハードオフエコスタジアムは「いずれドーム球場に移行する」という前提で設計されている。

サッカーでの動員力は折り紙つきだが、野球はどうか。野球はサッカーに比べと、試合数が多い。平日ナイターもある。ハードオフエコスタジアムは郊外にあるので、仕事帰りに足を運ぶとなると、それなりの覚悟が必要だ。「地方は車社会なので片道5キロ程度の移動距離は無問題」という見方もあるが、毎回のように渋滞に巻き込まれると、次第に足が遠のく。行きはいいが、帰りはみんなが一斉に駐車場を出るので、車が数千台でも大渋滞が発生する。ナイターの場合は帰宅時間が深夜になり、疲労の原因になる(続く)