前田日明が週刊文春(4月1日号)で指摘したように、プロレス界と政界は共通点が多い。プロレスラーは試合で全国各地を回る。参院選比例区の候補者も同じ。人を集めてワイワイやる選挙は、プロレス興行に通じるものがある。プロレスも選挙も、街宣車とポスターでPRする。レスラーと政治家は、キャラクターが確立していないと、人気(支持)を得ることができない。マイクパフォーマンスも重要な要素。派閥抗争、裏切り、寝返り、ハッタリが付き物で、「俺が俺が」という両者のパーソナリティもよく似ている。
プロレスはスポーツなのか、エンターテイメントなのか、よく分からないところがある。作家の村松友視は「ジャンルの鬼っ子」と呼んだ。どの分野にも当てはまらないので、知名度が高い割にレスラーの社会的な地位はいまひとつ。そのギャップを埋めるためには、社会的に認められた役職に就く必要がある。レスラーが政治家志向を強めるのは、そうしたことが背景にあると見られる。
プロレスラーは選手寿命が長い。40歳になっても、高齢のイメージはない。毎試合に必ず出なければならないわけでもないので、議員とレスラーの両立は可能だ。元選手より現役選手のほうが話題性があるし、集票能力も高い。政党側がレスラーに目をつけるのは、そこが大きい。
実際、過去に立候補したレスラーは、すべて現役のままだった。プロレスはもともと「引退」の定義が曖昧という事情もある。大仁田厚は、少なくとも4回は引退を撤回した。唯一の例外になるはずだった前田は、立候補を取りやめた。前田ぐらいのネームバリューがあれば現役でなくても当選の可能性はあるが、ほかの元レスラーでは政党側から声がかからないだろう。
レスラーの集票能力はどれぐらいあるのか。全盛期の猪木は約100万票集めた。6年後は自らのスキャンダルと同業の高田延彦が立候補したことで、約半分になった。自民党から立候補した大仁田は約46万票、プロレスファンぐらいしか知らない神取忍でも約12万票を集めた。自由連合の佐山聡の得票が約3万票だったことを考えると、大きな政党から出たほうが有利であることが分かる。いくらプロレスファンでも、当選する確率の少ないレスラー候補には投票したくないということだろう。
これまで参院選で再選されたレスラー出身政治家は1人もいない。アントニオ猪木は再選を狙ったが、落選した。馳浩は1期目の途中で衆院議員にくら替えした。大仁田は1期で引退。この夏の参院選では神取が再選に挑む。レスラーとしては、猪木以来15年ぶりだ。新人のときは知名度と勢いで当選できるが、現職は実績が問われる。スポーツ選手やタレント出身の候補者は、初回より2回目のほうが、当選は難しい。(終わり)
プロレスはスポーツなのか、エンターテイメントなのか、よく分からないところがある。作家の村松友視は「ジャンルの鬼っ子」と呼んだ。どの分野にも当てはまらないので、知名度が高い割にレスラーの社会的な地位はいまひとつ。そのギャップを埋めるためには、社会的に認められた役職に就く必要がある。レスラーが政治家志向を強めるのは、そうしたことが背景にあると見られる。
プロレスラーは選手寿命が長い。40歳になっても、高齢のイメージはない。毎試合に必ず出なければならないわけでもないので、議員とレスラーの両立は可能だ。元選手より現役選手のほうが話題性があるし、集票能力も高い。政党側がレスラーに目をつけるのは、そこが大きい。
実際、過去に立候補したレスラーは、すべて現役のままだった。プロレスはもともと「引退」の定義が曖昧という事情もある。大仁田厚は、少なくとも4回は引退を撤回した。唯一の例外になるはずだった前田は、立候補を取りやめた。前田ぐらいのネームバリューがあれば現役でなくても当選の可能性はあるが、ほかの元レスラーでは政党側から声がかからないだろう。
レスラーの集票能力はどれぐらいあるのか。全盛期の猪木は約100万票集めた。6年後は自らのスキャンダルと同業の高田延彦が立候補したことで、約半分になった。自民党から立候補した大仁田は約46万票、プロレスファンぐらいしか知らない神取忍でも約12万票を集めた。自由連合の佐山聡の得票が約3万票だったことを考えると、大きな政党から出たほうが有利であることが分かる。いくらプロレスファンでも、当選する確率の少ないレスラー候補には投票したくないということだろう。
これまで参院選で再選されたレスラー出身政治家は1人もいない。アントニオ猪木は再選を狙ったが、落選した。馳浩は1期目の途中で衆院議員にくら替えした。大仁田は1期で引退。この夏の参院選では神取が再選に挑む。レスラーとしては、猪木以来15年ぶりだ。新人のときは知名度と勢いで当選できるが、現職は実績が問われる。スポーツ選手やタレント出身の候補者は、初回より2回目のほうが、当選は難しい。(終わり)