★★★★
クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演。2009年のアメリカ・ニューヨークで起こり、奇跡的な生還劇として世界に広く報道された航空機事故を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記「機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡」を元に映画化。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が正しかったのか、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われることになる。
覚えている事故で、トム・ハンクス主演ということで鑑賞。緊張したまま最後まで一気に観させてしまう。ノンフィクションなので、過剰な演出がないのがいい。日本だと、その頃乗客は…、その頃乗客の家族は…、その頃機長やクルーは…などなど、余計なストーリーを挿入し、無理やり2時間以上の長さにするのがオチだけど、クリント・イーストウッド監督は、そのへんは必要最小限にとどめ96分にまとめあげた。
コンピュータのシュミレーションでは最寄の空港に着陸できたとして、サリー機長に「無用に乗客を危険なめにあわせた」と犯罪者扱いしようとする国家運輸安全委員会。しかしそれは、バードストライク直後から最寄の空港へ着陸する手順でのもので、故障箇所のチェックや復旧作業、これからどうすれば最善なのかと考える時間などを含んでいなかった。それをサリー機長に指摘され、実際にかかった時間ではなく、計算されるその最短時間を加えて再シュミレーションした結果は・・・。
しかし、着水してからたった24分間で全員救出というニューヨーク全体が一丸となった救出劇は凄いし、アメリカならではとも思う。日本なら、民間に手を出させないどころか外国の支援まで断るお役所仕事、日本航空123便御巣鷹山墜落事故での対応が一例です。
命最優先という言葉を忘れた安倍ちゃんにも観てもらいたい映画です。
