京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。
進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。

名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇、チンザノ・コークハイに秘められた記憶「進々堂ブレンド1974」、閉ざされた扉の奇跡「シェフィールドの奇跡」、曼珠沙華に秘められた悲しき絆「戻り橋と悲願花」、砂漠の都市と京都を結ぶ幻の桜「追憶のカシュガル」の物語。


私は島田荘司の初期の100%本格ミステリものが好きなんですが、これは最近の著書になるので、やはり、本格ミステリ要素よりも社会派要素が強い作品になってました。私としては、社会派ミステリでもいいけど、社会派要素50%+本格ミステリ要素50%ぐらいのものがいいんですが・・・汗

では、つまらなかったのかというと、決して、そうではありません。島田荘司らしさがプンプンしてます。

ということで、星3つ半。

桜。ソメイヨシノは花を狂い咲きさせるように人工的に作られたもので、日本中のソメイヨシノが元をたどればその1本の桜のクローンだったとは知らなかった。確かに、殆ど葉がなく、あれほどの花をつける木って他にはない。でも、その代償に、分身はできても子供は作れなく、さくらんぼも成らないという少し寂しい木になってしまったんですね。涙



御手洗潔と進々堂珈琲 (新潮文庫nex)/島田 荘司

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