登場人物大手自動車部品メーカー総合責任者
和田常務
メーカーでナビやオーディオを開発し、歴代最年少のスピード出世で常務に上り詰めた切れ者
大手自動車部品メーカーis300hナビ開発事業部責任者
半沢開発課長
間違ったことがあれば、たとえ上司であろうと態度を曲げないIS300hナビ開発課長・半沢直樹。 敵を追い詰めていく攻撃的な顔と、部下や家族に見せる優しい顔を併せ持つ
レクサス事業部責任者
中野取締役
常に広い心を持って半沢を見守るレクサス事業部の取締役
半沢の妻
半沢花
弁が立つ半沢を唯一言い負かせる存在であり、明るく爽やかに支える妻
愛知労働基準監督署
竹内労働基準監督官
「サービス残業」「名ばかり管理職」「パワハラ経営者」などブラック企業に立ち向かう女性監督官！
トヨタグループの大手部品メーカーのis300hナビ開発事業部 開発課長の半沢は、バブル経済末期に慶應義塾大学商学部を卒業し、数ある内定の中から大手自動車部品メーカーに就職したいわゆる「バブル入社組」。それから20年ほど経過した現在、会社ではカーナビの開発に関する中心的役割を担う世代になっていた。
一方名古屋の社宅では、妻の花が、文句を言いながらも明るく実直な性格で夫・直樹を支えている。
そんな半沢に、平成２４年の冬のある日突然、自動車部品総合責任者の 和田常務から強引な指示が下り、平成２５年４月までにis300hのカーナビを開発することになった。しかも、新規にSDカードで地図が更新できるという条件であった。
メーカーは、この開発によって売上目標を達成し、名誉ある最優良系列自動車メーカー賞を初受賞すことを狙っていた。
しかし、一見簡単に見えたSDカードで地図が更新できるというカーナビの開発には膨大な時間と労力が必要であり、この結果、当初から絶対に不可能とされた納期である平成２５年４月を迎えることになってしまった。
平成２５年４月上旬
半沢開発課長
和田常務、現在、Is300hのナビには「修復不可能なバグ」が発生しており、毎日チーム全員が徹夜でがんばっても5/16の発売までに修正することができません。オーナーの安全を保障できません。Is300hの販売の延期をお願いします。
和田常務
何を言ってるんだ。半沢開発課長。Is300hの発売日は、5/16と決まっているじゃないか。今更変更なんかできんよ。大体、発売日の延期なんて、レクサス事業部の中野取締役にどうやって説明するんだ。
半沢開発課長
しかし、和田常務、不具合のあるナビを搭載したままレクサスis300hを販売すれば、レクサスオーナーに危険が及びます。それに「レクサスブランド」が崩壊します。is300hの発売を延期してオーナーの命を守らなければなりません。人と人のつながりだけは大切にしなければなりません。ロボットみたいな仕事だけはしたくありません。
和田常務 それは無理だ。かっこいいCMも完成しており、ディーラーでの内覧会の準備も整っている。ナビにバグがあるくらいで発売日の変更なんかできるか。私が全責任を持つから不具合のままでもいいから発売しよう。発売後に内緒でアップデートして適当に改善すればいいじゃないか。 最初はis300hのオーナーの数も少ないし、レクサスオーナーなら文句は言わんだろう。それに年寄りが多いからナビは使わんだろうし、ばれなきゃいいんだよ、半沢君。だいたいねぇーカーナビなんか、どうでもいいんだよ。ナビなんか使っているうちに自然と直るもんなんだよ。 ディーラーどもに、「もう少し様子をみて下さい」と言わせとけば、レクサスオーナーなら半年は我慢してくれるはずだ。レクサスオーナーでネットを使えるやつなんかいないんだよ。安心しなさい半沢開発課長。会社というものはな、オーナーの命より納期の遵守と売上目標の達成の方が大事なんだよ。よく覚えておけ。
半沢開発課長
それではダメです。今やカーナビは必要不可欠です。絶対に5/16の発売はいけません。納車を延期して下さい。 情報公開して下さい。オーナーの安全が一番です。
和田常務との決着の行方は、そして次に半沢開発課長がとった行動は…？ そして竹内労働基準監督官の活躍は・・・？
～次回に続く～
プロジェクトLeXus ～挑戦者たち～INTERSECT BY LEXUS青山 2013
ドラマ「半沢直樹」とのコラボ企画。一部フィクションが含まれています。