私が住んでいるところは、緊急事態宣言が発令された都市です。

とは言うものの、仕事は休みなので変わらない日常を過ごしています。

 

先が見えない状況に不安をおぼえることもありますが

最近は、あまり思い悩み続けることができないので、どちらかと言えば

生活がガラッと変わるのではないかと、未来に期待していることのほうが多いです。

 

 

ですが今回の状況で

「これがダークサイドのやり方なのか」

と思うような、貴重な体験ができました。

 

 

私の仕事はフリーランスのようなものなので、いくつかの職場を掛け持ちしています。

 

 

そのうちの一つでの出来事です。

その職場とのお付き合いは、だいたい2年ほど。

 

仕事自体はとても好きなのですが、

働き始めてしばらくたってから「ここでの仕事はしたくない」と思うようになりました。

 

 

先月末、お仕事の依頼があったので引き受けたのですが

こんな状況なので、こちらからもお願いをすることにしました。

 

それは、海外から入国する人たちと接するので

マスクの着用と除菌グッズの準備、それから毎朝の検温です。

 

その国自体、コロナの感染者は少ないのですが

依頼があったときは、海外からの帰国者や入国者に大勢の患者さんが出ていた時期。

 

なので、私が過剰に反応しているというよりも、ごく普通のお願いだったと思います。

 

また感染リスクは、仕事に支障をきたすので極力避けたいとも思うし

もしかしたら私自身が無症状感染者である可能性も否定できない、と思いました。

 

ですが、このような申し出は鬱陶しがられ、反対に

「過剰反応しすぎ。」「細かすぎ。」「うるさい。」などと思われることになりました。

 

 

あっと言う間に、必要な情報にアクセスできないようになり

罪悪感を抱かせるようなメールももらいました。

 

私を含め、そのメールを読んだ同僚たちも一様に

「これって、私のこと? 悪いこといった?」と思うぐらいです。

 

 

でも、ものすごく人当たりの良い、良い人に思える人たちなのです。

ですが実情は違いました。

 

 

金銭を払っているのは私たち。

仕事を与えてやってる。

こんな時期に仕事を与えてやってるのに、口出しするなんて。

 

思わずそう読み取ってしまうほど、棘のある言葉の羅列です。

 

あるいはまた、穿ちすぎだったのかもしれないと思うような

綿密に計算され、選ばれた言葉でのメッセージなど。

 

 

無給または少ないお金で労力を吸い上げ

見えない仕事に対しての対価を支払わなくてもなんとも思わない。

むしろ成果が出せていない、と評価されることもありました。

 

きちんと仕事をしていても評価もされず、対価も払わない。

 

ずっと「なんでここの仕事は嫌なんだろう。仕事は好きなのに。」

ともやもやしていましたが、同僚たちに迷惑をかけてしまうし

時期によっては、募集をかけても人が来ないこともあり

長らく辞めるタイミングを見計らってもいました。

 

ですが今回、この一連のメールが直接のきっかけではありませんでしたが

先方からの申し出もあり、めでたくすんなりと角を立てることもなく辞めることができました。

 

 

何度も言いますが、本当に人当たりが良く、良い人に思える人たちです。

 

 

でも笑顔の裏には

いかにきちんとした対価を払わずにいられるか

どれだけ安く労力を確保できるか

そして、安い対価をありがたく受け取る人材を確保できるか、を考える

ずる賢くどこまでも狡猾な顔が隠れていました。

 

 

同僚とも、打開策を考えたり、今後について話し合っていましたが

結局、「これからも分かり合うことができないだろう。」という結論になりました。

どうやら同僚も、辞めるタイミングをうかがっていたようでした。

 

「怒りをおぼえるだけ無駄な時間だし、辞められてよかったね。」

とお互いすっきりしていますが、こんな時期だからこそ

隠れていたものが、よりくっきりと見えてきたのかもしれません。

 

 

けいこヴァールハイトさんのブログで

何度かダークサイドに関しての記事を読んでいましたが

まさかこんなに身近に潜んでいたとは思いませんでした。

 

ダークサイドは、良い人の仮面を被ってすぐ隣にいるし

ホワイトサイドの好意や良識を臆面もなく奪い取っていくだけの存在なのだ

と実感させられる貴重な体験ができました。

 

「呪術解除」がすすんだことで

奪い取られ続ける状態から解放されたのかもしれません。

 

あと一つだけ後処理が残っていますが、それが終わったら祝杯をあげたいと思います。