読了📖

 

 


流浪の月

凪良ゆう著




読んでて辛い重苦しい内容。 

どうやっても苦しい生き方しか出来ないのかな?と辛くなったえーん

傍目にはどこにでもいる普通のお嬢さんで普通に働いて普通に彼氏と同棲しててそのまま普通に結婚して収まっていきそうな標準的な平凡に幸せそうな生活していそう…

…風に見えるところが尚更地獄で辛いゲロー

以前に読んでた『同姓同名』と同じようなテーマをしているだけに比べてしまうけど、あちらが『動』ならこちらは『静』といった印象?

『同姓同名』の彼はその『障害』故に事件を『起こして』しまった。
『流浪の月』の彼はその『障害』故に事件に『なって』しまった。

けれども『流浪の月』ではその『障害』がわかっていなくとも、認める、受け入れる存在があった。

『障害』と呼ばれるもの。
それらを全部同じに括るな考えるなと言われるかもだけど、時代とともにそれを『個性』という考え方も増えてきている。
しかし
全て『障害』扱いするのも違う。
全て『個性』で認めるのも違う。

『障害』『病気』と名前をもらうことで安心できることもある。
名前をつけられたことで全てに絶望を覚えることもある。

以前『リリーのすべて』という世界初の性適合手術を受けた人の映画を見た。

ずっと病気だと言われ苦しんでいる彼女に、とあるドクターが性別変更の手術を提案してくれる。

その提案を聞いたときの彼女の笑顔。
どれだけ彼女の心を救ってくれたか。

結局は適合手術がうまくいかず亡くなってしまうが、それでも彼女にとって大きな希望の光であったのではないかと思う。

パートナー以外で初めて認めてくれた存在であったわけだから。
そして叶えようとしてくれた。

↑例えが違うかもしれないが、
『流浪の月』後半で『文』にとって『更紗』は枷ではなく救いになっていたというのがわかって、こちらも救われた気がした。