新田次郎の小説『武田信玄』は、自分が一番繰り返し読んだ本だ。


家でも電車の中でも読み返した。


その着実な領国経営と、戦国の世を駆け抜ける卓越した戦略は、自分の考え方や方向性においてとても参考になった。


心のどこかで、その生き方を自分の生き方にダブらせて楽しんでいるようなところあった。


この日、ある高校の招待大会に参加させてもらい、別の新たな可能性が広がるのを感じた。


前からイメージはあったが、それを現実的、且つ必要に駆られて実現するイメージはなかった。


だが実はそこに到達点があるのかもしれず、以前からその形について漠然とした理想像を描いたこともあった。



全くの偶然だが、来月にはそこに向けて着手することになっている。



信玄は戦う前に、進軍するための道路を作る人だった。



戦いの前に道を作るというのは斬新だが極めて合理的な考え方だ。



「合理性」は「必然性」にも換えられる。



その繰り返しが理想形につながっていく。