全中から9競技が姿を消す。


2027年度から、水泳、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、スケート、アイスホッケー、そして2030年度からスキー。



当該競技の関係者にとって、というより、全ての関係者にとって衝撃であろう。



中体連が、スポーツ団体との相互関係を断つ方向に向きつつあるからだ。



少し前から、全国大会の必要性が議論されてきた。



しかしそれは、勝利至上主義への警鐘としてだった。



だが今回は違う。



教員の負担軽減が主な理由だからだ。



つまりスポーツの興盛や、競技の強化とは無関係のもの。



学校とスポーツが切り離される時代が来そうである。



識者からは全国大会がなくなるのはいいことではないという意見もあるようだが、もはやいい悪いの問題ではなくなっている。



学校で行うのは体育の延長としての運動であり、競技として行うスポーツは、校外でやるのがスタンダードとなりそうだ。各競技団体は、独自に大会を行うか、別の方法で強化を図るかになる。



スポーツを取り巻く業界にとっても、大きな転換期となる。



全中からの除外により、スポンサーの減額や撤退も考えられる。又、各スポーツメーカーの協賛の度合いや、現実的な問題として会場周辺の宿泊施設や商業地区への影響も。



日本のスポーツ全体の弱体化も危惧される。



もちろん各競技団体が、その普及や振興に資本を注力すればいいが、とてもその余裕があるとは思えない。



それにしてもいきなり廃止というのは驚きだ。



参加都道府県を予選で絞るとか、大会方式を簡素化するとか、段階を踏んでの改革が進むと思われたが。



採用倍率の低下が進む中、良質な人材を確保するためには待ったなしということだろうか。



しかも原則トーナメント制になるので、遠路はるばる参加しても、一回戦で敗退する可能性を考えて、全中辞退の学校も出てくるかもしれない。



運動とスポーツ。



競技の二極化が進みそうである。