ゴールパフォーマンスは、伝統的で由緒ある行為である。
サッカーは世界のスポーツであり、国のみならず、民族、地域を表現するスポーツでもある。
だからゴールに対する思いは、しばしば感情を超えて爆発してしまうことがある。国際試合になれば尚更である。
特に、独立戦争や都市国家間の抗争の果てに統一を遂げた国は、よりその傾向が強いように感じる。
ゴールという歓喜の瞬間を表現する時間は、ある程度は許されるべきだし、チームメイトや控えメンバーと喜びを分かち合うのは自然なこと。
それは極めて人間的な行為だからだ。
それでも、あのイラクFWのゴールパフォーマンスは長すぎた。
まるでウイニングランのようにスタンド付近をゆっくり走り、戻るかと思ったら敵陣一番深い所に座ってのパフォーマンス。
勝ち越した側のチームとしてやり過ぎである。
遅延行為ととられても仕方がないし、主審の神経も逆撫でしてしまったようだ。
今大会、アディショナルタイムをほぼ正確にとる事はわかっていた筈だが。
それでもイラクは、1人少ない状況で懸命に耐え、正規の90分間を守り抜いた。
アディショナルタイムがいつもの長さなら、逃げ切っていただろう。
だが、勝ち越しゴールを決めた際の遅延分を含めたアディショナルタイムで、同点弾と逆転弾を喰らうという、何とも皮肉な結果になってしまった。
最後まで諦めないヨルダンの精神力も見事だった。
ところで、サッカーでも、判断根拠がわかるゼスチャーを導入して欲しいと思っている。
危険なプレー、遅延行為、非紳士的行為又は言動など。
選手、スタッフ、観客等が分かるようなゼスチャーがあれば、イエローやレッドの理由も分かって良いと思う。