ヨーロッパは世界のサッカー選手が集う場所。
そこで日々戦っている選手が、アジアという場で最初から全力を尽くすのは難しいのかもしれない。
イラク戦も明らかにその傾向があった。
ベトナム、イラクとも、日本戦に向けたモチベーションは最高だった。
それは、プロ野球で、強いチームが絶えずエースピッチャーを相手にしなくてはならないのに似ている。
W杯でもしばしば起こる現象である。グループステージ突破を目標に据えたチームと、決勝戦という、先に目標を据えたチームの、タイムラグが呼んだ敗戦とも言える。
だが、連勝が止まったことでプラスに転じることもある。それは選手のモチベーション、個々のプレーに対する評価、そして危機感だ。
ここまでの日本は、2試合ともベストの布陣で戦っていない。先を見据えたターンオーバー制の中で選手をやりくりし、そのコンディションにもばらつきがある。
もちろんインドネシアも侮れない。だが日本はあくまで決勝トーナメントに照準を合わせているようにも映る。
大袈裟に言えば、目標とするW杯ベスト8に向けてのシミュレーションをしているかのようである。
そして、これでグループリーグを突破し、招集に関して物議を醸した最大のジョーカーMが、トーナメントで復帰して勝つようなことになれば、日本の監督の先見性は大いに評価されるだろう。
尤も物事はそんなにうまくいかないものだが。
それにしても、連勝を止められたのがアジアのチームというのは、何かを暗示しているようで興味深い。
「アジアはやはり面白い」ということだろうか。