『悲しみよこんにちは』
フランソワーズ・サガン:朝吹登水子訳/新潮文庫
1980年11月20日第90刷
1954年、サガンは18歳でこの本を書いた。
主人公のセシルは17歳となっているが、ほぼ自分自身の年齢を描いたものである。
わずか3ヶ月で書き上げたというこの作品は、すぐさま各国でベストセラーとなった。
全体を通して、心理描写が多く、多感な時代に身を置く著者の揺れ動く感情が表現されている。
その反面、この年齢で主人公は、ウイスキーを飲み過ぎて二日酔いになったりしている(◎◇◎)。
当時からフランスは、アルコールに寛容だったようだ。
ちなみにフランスでは、16歳になれば酒類の購入及び公共の場での3%以下のアルコール摂取が可能である。
訳者は、実際にサガンに会っている。
この本が出た年の暮れに、サガンの自宅を訪問し、インタビューを行っている。
その時の会話や様子が、あとがきに書かれている。
原作者と訳者と対談は珍しいだろう。
登場人物も少なく、量も多くはない。
直訳に近い日本文が、外国文学らしく、かえって新鮮である。
1955年6月25日発行

