栗の価格が上昇すると言う。
長い梅雨と、長い猛暑で、うまく育たなかったらしい。
複数のイガがくっついてしまったり、取れて落ちてしまったりしているそうだ。
そのせいでモンブランケーキも高くなると言う。
ホンマかいな(◎◇◎)・・・。
「猿の惑星」
ピエール・ブール作:大久保輝臣訳/創元推理文庫 (1977年購入)
「猿の惑星」は、1963年にフランスの作家ピエール・ブールが発表したSF小説である。
本国ではベストセラーとなったが、やはりこの作品を世界的に有名にしたのは、1968年に発表されたチャールストン・ヘストン主演のアメリカ映画の方だ。
そのストーリーはもちろん、当時としても相当の技術と思われる特殊メイクが凄かった。
ただし原作は、映画とはかけ離れている(〇◇〇;)。
宇宙船に乗り込んだ3人が、未知の惑星にたどり着き、猿に捕らわれるのは同じだが、メルー(主人公)は猿の言葉を覚え、ジラとコーネリアス(研究員のチンパンジー)は人間の言葉を学び、密かに情報を交換し合う。その結果、メルーはその能力を認められ、多くの聴衆の前で演説まで行う。アパートの一室を与えられ、一人暮らしを始める。パーティーに参加して飲酒したり、猿からはサインをせがまれる(◎◇◎)。しかも着陸した時から連れ添っていた、この星の人間であるノヴァとの間に子供が生まれる。ジラとコーネリアスは、将来を危惧して、メルー一家に惑星の脱出と地球への帰還を提案し、それは成功する。だが、600年以上も経った地球で3人を出迎えたのは、人間ではなく猿だった・・・。
全体を通して、主人公メルーと、ジラ、コーネリアスの交流がメインになっている。
メルーが猿の言葉を覚えるより早く、ジラが人間の言葉を覚えるのは愉快である。
ただし噂として囁かれている、有色人種と白人の逆転現象を表現した風刺作品、とは思えなかった。
SF小説として充分に楽しめる。
もちろん、映画を先に見ていたことがイメージの手助けにもなっている。
それにしても、地球へ戻りたいと言う願望がほとんど出てこない上、酒を飲んで楽しんでいるというのは・・・。
そっちの方が衝撃である。
作者のブールは、映画「戦場にかける橋」の原作者としても有名だ。
ブール自身、第二次大戦中にフランス軍兵士として東南アジアに出兵し、日本軍に捕らわれた経験がある。
「戦場にかける橋」も、その経験を生かして書いたものである。
最近、自然災害で崩落した登山道の普及が遅れ気味になっている。
その間、人が山に入らなくなり、野生動物がテリトリーを広げる可能性がある。
山に限らず、人口が一極に集中すれば、空いた地域もその一因となる。
猿の惑星は、猿が高度な頭脳を持つようになった末の姿だが、単純に動物が増えて、国土をより多く占拠する可能性は充分ある(◎◇◎)。