スケートアメリカ、気になる選手個々の演技はYoutube動画を観ていたのだけれど、昨日から、録画してあったテレビ放送を見始めた。テレビ画面だと、ノートPCと違って、馴染みの無い選手からも迫力や息づかい、集中の様子が比較的容易に感じ取れる。

 

男子フリー

 

ジェィソン・ブラウン選手の「シンドラーのリスト」がよかった。観ている間も見終わってからも、彼のその世界に包まれているような気がした。「自分がユダヤ系であること、シンドラーのリストでずっと滑りたかったこと、今やっとこの曲を滑れるほどに自分が成長したと思える」というインタビューを最近読んだ。すべての動きに彼の想いが滲み出ていて胸を打たれる思いがした。演技が一貫して1つの世界を形作るためには、確かな技術力がいるのだなとあらためて思った。2位、おめでとう。

 

ネイサンは、ジャンプの時、回転のスピードが人より出せるのだなと思った。ぎゅるぎゅる言っていた。


友野一希くんの演技、4T+3Tきれいだった。他のジャンプも決まればうんとスコアが伸びそう。彼の演技は観ていて楽しい。今回ゾーンに入っている瞬間があるみたいに見えた。

 

ボーヤン、4回転の得意なボーヤン、どうしたの? ジャンプが決まらない。でも4年前、4Lzを軽々跳んでいたころに比べると、ジャンプ以外の部分がとても素敵になった。今回、ジャンプの回転速度がゆっくりに感じた(織田くんもそう言っていた)。ノーミスを待っています。

 

女子フリー

 

坂本花織、樋口新葉、テネル、リーザ、シェルバコワ、ウンス・リムと見応えのある演技ばかりだった。

 

花織ちゃんのパワーは気持ちいい。そしてとんでもなく難しい滑りをこなすスケーティングスキルを備えている。スケーティングスキルのある人はジャンプも安心して見ていられるし、ステップシークェンスも色んな動きをしてくれるのでとても楽しい。こちらまでつられて身体が動いてしまう。

今回、フリップとサルコウが2回転になってしまった。予定通り跳んでいれば基礎点6.5点、GOEで0.4点くらい積めていた。3Lzにeが付いた。これで基礎点1.18点、GOEで2点は失っている。Lzについては、エッジエラーの付く人だと思っていなかったのでちょっと意外だった。

ともかく、今の構成できちんと跳べばTESだけであと10点は伸ばせる。がんばって。

 

新葉ちゃんもパワーの人だと思っていたけれど最近しっとりした部分も感じる。完成したポエタを見てみたい。髪がほどけて、終盤気が気じゃなかったのではなかろうか。頭に刺したピンの数覚えているのかな。減点なくてよかった。

 

私の中でテネルの好感度は増している。地味な人だと思っていたけれど、見るたび「あれっ」と思うようになった。

テネルのイリュージョンスピンは、回転速度が落ちず、かっこいい。ステップシークェンスでは前後にバランスをくずす動きがあるが、それを2回やるなら、横にくずす動きもやってほしいなと思う。

 

さて、シェルバコワさん。4Lzすごいですね。ただ、ジャンプ以外のところで、やたら色んな動きを詰め込みすぎているように感じる。ザギトワしかり。エテリさんの趣味なんだろうか。

 

その動作は、何を伝えようとしているの? 「私はこんな複雑な動きを素早くできるのよ」と伝えたいの? 私はスケートにはもっと違うものを求めている。曲の解釈。それが身体表現にどう繋がっているか。彼女はリズムには合っていたけれど曲を表現しているとは思えなかった。後半赤い衣装で火の鳥をイメージしたのはわかるけれど、踊りとして。15才だからそれは今後に期待出来るのだと思う。だとしたら、今は花織ちゃんやリーザより高いPCSはふさわしいとは思えない。特に曲の解釈は。

 

ジャッジへの不満

 

ジェイソンのPCSがネイサンより低いのは何故なんだろう。少なくともSS、TR、INに関してはジェイソンの方が上ではないだろうか。

4回転を跳んだことが無いジャッジたちは、ネイサンのあの竜巻のような4回転を見ると、畏怖心を覚えて、無意識に高いPCSを出してしまうのだろうか。

それは、シェルバコワも同じなのだろうか。

 

テレビ放送では、左上の点数表示の部分にエレメンツ表示がなかった。テレ朝がISUに気を遣ったのだろうか。今回エレメンツコールのミスが目立ったから。

 

ジェィソン・ブラウンの3A+2Tが動画では3A+2Aになっていてびっくりした。私でもそのくらいの間違いはわかる。プロトコルでは修正されていた。

 

テネルの2回目の3Lz+3Tは3Lz+2Tになっていた。ジャッキー・ウォンさんが指摘していたし、荒川さんも解説で「3Lz+3Tですね」と言っていた。これはプロトコルでも修正されなかった。表彰式前に申告がなかったため、テネルはテクニカルパネルのミスにより、基礎点で2.9点を失ったのだ。

 

こういうことって以前からあったのだろうか。多分あったのだろう。

ただ、以前は、SNSがなかったし、動画も今のように自由に見られなかったし、あまりファンや視聴者からの指摘が無かったのではないだろうか。

選手は異を唱えることがジャッジに悪い印象を与えかねないと躊躇してしまうのだろうか。もしそうならそれは明らかにパワハラである。

 

いずれにしても、これは明らかにテクニカルパネルの能力不足である。どんなに難しいことを課されているかは理解出来る。私にはとてもできないし。でも、国際試合のジャッジがこれではお粗末すぎる。

 

能力ある人材が確保できないのなら、どんどん科学技術を取り入れればいい。演技審査と違い技術審査は理論上、機械的に判定できる。まずはカメラを増やせばいい。そして視聴者が、選手が、同じカメラで見られるようにしてほしい。「あなたがたが判定に不服だというその映像は、我々が見ている映像とは違います」と言い逃れできないように。まさかテネルのセカンドの3Tはテクニカルパネルが見ているカメラでは2Tに見えるのだとはいわないだろうが。言うのかな?

 

ISUへの嘆願書署名数は6000名を越えました。ちょっとゆっくりですね。

 

テレビ朝日への文句

 

文句を言う前に、地上波やBSでの放送ありがとうございます。織田さんの解説は分かり易く、選手に寄り添って温かく、とてもよかったです。荒川さんの解説も。

 

角澤照治さん、しゃべりすぎ。男子フリーを見終わる頃には「うるさい、だまれ」と怒鳴ってしまいました。野球のラジオ実況じゃあるまいし、見てわかることを一々言わんでよろしい。転倒した、手をついた、見ればわかる。それから選手に成り代わって、「ここは成功させたいところ」とか言わなくていい。いらいらする。「これからコンビネーションジャンプです、成功するでしょうか」とか言わなくていい。あなたがそう言ったケースでほとんどの選手が失敗していた。「さあ、ステップで世界を表現します!」とかも要らない。ステップだけで、世界を表現するのではない、4分間全部で世界を表現するのだ。

 

スケートカナダの男子演技で同じような実況したら、恨んでやるから。

せめて、しゃべる量を半分にしてくれ。1/10にしてくれたら、感謝状を書いてもいい。お願いします。

 

スケートカナダ

 

さて、明日はスケートカナダの公式練習が始まる。同じカナダでもオータムクラシックが13時間の時差に対し、ケロウナは16時間(8時間)の時差。少し身体が楽かもしれない。

さあ、気合い入れて応援するぞー。羽生くん、がんばれー。絶対怪我しませんように、イメージ通りに演技できまうように、祈ってます。