やってきました新潟公演。

 

 

 

 

 

「はばたけ黄金の翼よ」

 

麻実れいさん退団公演、多分CSかなにかで見ただけですが

”栄光のアラドーロ”の曲が好きで目覚ましにDLしてます。

今回の演出は小柳先生。

 

 

面白かったんですよ。

適材適所の配役もあったし、

それに見事に応えていたし、

やりにくい役をうまくやっていたり。

 

でも。期待したほどじゃなかった。

 

だいぶ辛口の感想になっているので

小柳先生とトップコンビがお好きな方は

もしかしたら読まないほうがいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、全体的に軽い。

楽曲は重厚なのですが、演出が軽い。

どちらかというと初演踏襲というより、

原作に合わせて、今にあった演出にしたのだろうという意図は

十分伝わってくるのですが、

結果的に”古き良き宝塚”の部分がほぼ感じられず。

 

 

今の時代になぜこれを再演したのか、ということに思いを馳せると

コスチューム物の少ない雪組に重厚な芝居を、

というのがあったのではないかと

勝手に推察しております。

 

 

でも本当のところは

☑︎役が少なくて済む

☑︎場面転換が少ない

☑︎書割またはカーテン前で芝居が進む

という古い宝塚の演出スタイルなので

全国ツアーにあっていた、というのが実情かもしれません。

(その割に30年以上、再演されてないけど)

 

 

 

何れにしても、麻実れい退団公演のときの役の比重と

今回で大きく異なっていたのが

 

前回 ヴィットリオ>>>>>>クラリーチェ

 

今回 ヴィットリオ<<クラリーチェ

 

 

娘役が主役になってしまったように見える、

ということでした。

 

 

 

確かに、原作は

ヴィットリオ<<クラリーチェ

という感じではありますが

そこは宝塚歌劇。

 

男役トップスターがかっこいい主役じゃなくてどうするんだ!

 

と。

 

 

 

 

望海さんに重厚な芝居は似合うと思うんです。

今いる5組のトップの中では最も昭和的重厚感があると思うので

ヴィットリオは合っていると思うのです。

つまり、いわゆる時代物の立役的芝居が

できる方なんだと思うのですが・・・

 

まぁ、黒髪ソバージュはカリオストロ伯爵の時に

間違いなく似合うのは立証済みですし

イタリアのあぁいう衣装も似合うから素敵だったのですけど。

 

ただ、役の描かれ方、脚本によって

その良さが100%出ていなかったと感じました。

 

 

もう一つ、クラリーチェの芝居が・・・

 

真彩ちゃんは確かに歌はうまい。

声は綺麗。でも、それだけ。

 

トップになってからの役、

実はどれも同じに感じています。

残念なところが、相手との調和が取れないお芝居なのと

(特に望海さんと組んだ時)

何よりも演技の引き出しが少ないかと・・・

 

衣装やセリフは異なれど、役の本質を掴んで声を変えたり

台詞回しを変えたりができてないんですよね。

それなのに、役の比重が大きくなってしまったから

なんだか作品においてちぐはぐな感じがしてしまいました。

 

 

脚本の書き込みという意味で大いに不満だったのは

ファルコ・・・ビジュアルは最高ですが。

 

巷で話題のあーさにムチは

原作に近づけて作品書いているのならやってくださいよ・・・

 

というのはさておき、

ファルコのヴィットリオ愛がなにやらおかしな方向に行っていて

(というかおかしな方向に行っていると解釈されるセリフで)

ちょっとそれはまたどうなの・・・と。

そして、その方向のみの描かれ方しかしていないので

結果的になかなかの難役になっていたかと思います。

最後のジャンヌへの想いと矛盾してますし。

(ジャンヌかわいそう。あんなの、一生引きずるって)

 

 

ジュリオもなんだかおバカキャラみたいになっていて

ちょっと気の毒でした。

人がいいのか悪いのか、というあたりは

ひとこちゃんのニンではあると思いますけどね。

 

 

その代わりの悪役担当、グリエルモ伯爵のあすくんは

この作品一番の儲け役。

徹底して悪い人でよかったです。

側近のおーじくんも悪いおじさんで印象的でした。

 

こうやって書いてみると、初演の書き込みを利用したところと

そうでないところのムラが激しくて

全体のまとまりが中途半端に感じているのかもしれません。

 

 

 

そのほかの方で印象的なのは

教皇のにわさんがラスボス感があってこちらもおいしい役でした。

あぁいうお衣装、似合いますよねにわさん。

こちらの側近のお二人(りーしゃさんとたっちー)は若い感じ?

 

娘役さんたちは役が少ないのですが

あんこちゃんの乳母が絶品スタイルと着こなしで美しかったのと

ここのところ、お芝居が本当に上手になったという印象でした。

 

ロドミアひらめちゃんは原作に忠実なビジュアル。

ジャンヌりさとビアンカみちるちゃんは

お芝居が上手になったという印象でした。

特にみちるちゃんは背の盗み方とか

男役さんを美しく引き立てる技術が格段に上がったのが印象的でした。

 

 

ちなみに、原作でちょうど2巻までです。

kindle版があるので、おすすめです。