日銀が金利を上げました。
リーマンショック以降、長い間量的緩和(通貨の供給量を拡大すること)を続け、ようやくデフレが収まりインフレへと転換していきましたが、公定歩合はずっと0金利で、日銀から資金供給を受ける民間の金融機関もそれに合わせて、貸出金利はずっと低金利のまま、更に、普通預金や定期預金にも金利が殆ど付きませんでした。
本来、金利は必要なモノで、金融機関はお金を安く仕入れて高く売りお金を儲けるのですが、0金利だと高く売る事が出来ないし、そもそも貸し出し需要がなく、金融機関は国債を購入し、その金利で、普通預金や定期預金の金利を払っていました。
長い間金融機関は0金利のお陰で、お金を稼ぐことが出来ていなかったのです。
更に、最近は為替が円安に振れ、対ドルレートが160円をうろついていました。
為替が円安に振れると、輸入品が値上がりします。資源や食料の多くを輸入に頼る我が国では、これらの物価が高騰し、消費を冷え込ませる一因にもなっていました。
ただ、通貨安、通貨高はどちらも一長一短があり、どちらに振れても得する人、損する人が出てしまいます。
円安になると、海外への投資が割高になるので、資金が国内投資へ向かっていくのです。
個人的には対ドルレートは、140円前後がバランスが良い様に思います。
ただ、金利を上げる事は景気にブレーキを掛けたり、物価を下落させたりする効果があり、このタイミングでの利上げが正しかったのかどうかは何とも言えません。
GDP(国内総生産)が前年比マイナスで推移しているので、ちょっと早い気がしないでもありません。
ちなみに、元財務官僚の高橋洋一氏の意見は「今金利を上げるべきタイミングではない」そうで、更に「まだ更に上げようとしている気配がある」らしく、このタイミングでの利上げは消費減退により、景気悪化の懸念があるそうです。
景気も良く無いのに物価が上昇し、賃金も上がっていない今の状況では、私も同様の感想を持っています。
今の日銀総裁は国民経済より、金融機関や財務省の方ばかり顔を向けている様に見えるのですよ。