長崎県サッカーリーグ開幕戦。
夜中から降り続く雨は、
諫早のグランドを、
“ぬかるみ”くらいでは済まされない、
“たんぼ” のような状態を作り上げていた。
この足場の悪さは、
ビーチサッカーよりもひどい。
ビーチの選手達は口々にそう言った。
パスサッカーを標榜するエスタジ佐世保にとって、
このグランドはマイナス以外の何物でもなかった。
しかし、
戦う事を放棄出来ない熾烈な、
長崎県サッカーリーグ。
今年を占う意味においても、
本当に重要な、
開幕戦、
キックオフ!!!!
ゲーム序盤。
ロングキックと前線でのフィジカル勝負を得意とする、
有家FCは、
序盤から続々とロングボールを蹴り込み、
エスタジ陣地に侵入する。
このロングボールの処理を宮崎健一、前田昭太のセンターバックコンビが、
危ない場面を迎えながらも、
しっかりした対応を見せ、
致命傷とはならない。
有家の攻撃を防ぎきった、
エスタジは、
ボールを繋ぐか、
前線に蹴り込むかという選択を探りながら、
徐々にペースを取り返していく。
エスタジの選手達が取った選択は、、
パスを繋ぎながら、
大きなサイドチェンジで、
スペースを使っていくこと。
ただし、
パスは、
“浮き玉”。
ボールを落とさないでボールを回す技術は、
ビーチサッカーで習得済み。
浮かす、
落とさないトラップ、
スペースへパス。
ボールが転がらない、
“たんぼ”グランドだからこそ、
このパス回しは、
非常に有効な手段となる。
浮き玉パスでボールを回し、
攻撃の糸口が見えて来たエスタジ。
15分。
有家のファールを受けフリーキックのチャンス。
キッカーは、
“スナイパー”ヤスタカ。
ハーフウェイライン付近からの、
絶妙なキックはしっかりとコントロールされ、
ペナルティエリアに放り込まれる!
この落下地点に飛び込んだのは、
後藤、シンゴのハイボールが好きな二人組。
有家のDF二人とGKが飛び、
計五人が飛び交う!!
そして、、
この空中戦を制したのは、
“シンガポールの風雲児”中島シンゴ!!!!
高さを活かして競り勝ち、
ボールはゴールに吸い込まれる。。
ゴォォーーール!!!!
と、
思われたが、
主審の判定は、
GKチャージの反則。
ゴールは幻となった。
しかし、
このプレーで自信を掴んだエスタジは、
ここから猛攻を開始!!
後藤、修平、コーヘイ、が積極的にゴールに向かう姿勢を見せ、
次々にシュートを放つ。
そこからコーナーキックのチャンスを得るエスタジ。
キッカーはこの日、
抜群のコントロールを誇る、
“スナイパー”中村ヤスタカ。
精度が高い鋭いキックは中央に、、
このボールに合わせたのは、
前線で体を張る、
“FWルーキー”
山下コーダイ!!
ヘディングでたたき付けられたボールは、
ゴールに向かうが、
ギリギリのところで、
有家GKがファインセーブ!!
更に、
FWルーキーは(笑)、
25分。
“悪童”キャプテン宮崎修平の完璧なクサビのパスを受け、
前を向き、
必殺のトゥーシュート!!
これは、わずかにポストの横をすり抜けていく。
完全にゴールの匂いがするエスタジは、
30分にビッグプレーを見せる。
中央でボールを受けた、
“スナイパー”ヤスタカは、
抜群のコントロールでサイドのスペースに大きなパスを通す。
このボールを貰いに右サイドに走り込んだ、
“ヤン・コーダイ”
改め、
“和製・ベントナー”
(Fromデンマーク)
コーダイは、
ヘディングで有家ディフェンスの裏に落とす。
このボールに反応したのは、
コーダイとポジションチェンジをした、
“ファンタスティック・ストライカー”
後藤浩彰!!
相手DFを置き去り、
いち早くこのボールを受けると、
GKと1対1!!
ゴールに期待が持たれたが、
無情にも、
オフサイドの判定。
ゴールこそ生まれないものの、
有家FCを圧倒するエスタジ。
素晴らしい内容を見せながらも、
スコアレスで、
前半終了。
魂の闘いを見せるエスタジ佐世保。
後半戦は、
次号☆