高校時代のこと | 気ままにバツイチ・シングルライフ

高校時代のこと

休日の朝、というか昼だな、もう。
レースのカーテンにカビが発生しているのをみつけて即座に洗濯機に放り込んだ。
浴室のカビも気になっていたのでカビ取り剤を吹き付ける。
うちのアパートは変なところがたくさんあって、その一つが浴室に換気扇がついてないことだ。窓はあるけど開けっ放しで外出するわけにも入浴するわけにもいかず、長時間お風呂につかっていると酸欠でハアハアしてくるのだ。
給湯器は外なので中毒にはならないけど、長湯の私はコマル。本も読めないじゃん。

というわけで、カビがすぐ生える。
しかもカビ取り剤を使うと部屋の中に臭いが充満して中毒になるんじゃないかと気が気でない。
その臭いのなかで食器を洗っていた。
食器洗いとか単純作業しているときってつらつらと色んなことを考えない?
とりとめのないことをとりとめなく考えるともなしに考えていたら、ふいに高校時代のある事件を思い出した。

それは今くらいの季節だったかもしれない。
高校2年のときのことで、同じクラスの女の子が3階の窓から飛び降りたのだった。
自殺、のつもりは全然なかったらしい。
割と成績もよくそれまで問題らしい問題も起こしたことがない子だった。
ちょっと大人っぽい雰囲気で、私とはグループが違っていてあまり話したこともなかったと思う。
彼氏ではないけど仲のよい男子がいて、その子が外を歩いている上から
「飛ぶから見てて!」と言って飛んだらしい。
命に別状はなかった。腰骨を骨折して長いこと入院していた。
事件が事件だから担任はわけがわからずアタマを抱えていたようだ。
余談だけど、このときの担任の先生は今は高校教師を辞めて「性教育を考える会」みたいなのを主催していてよく雑誌とかに載っている。
事件が事件だからクラスの子たちもお見舞いに行ったという話しは聞かなかった。

私は文芸サークルに所属していて、主に詩やときどき短い小説を書いたりしていた。
その事件にインスパイアされて短編を書いた。年に何回か文集を発行していて、翌年の文化祭で売る号に載せたのだと思う。

「飛ぶから見ててね」と言って飛んだ少女のはなしで、理由が理解できずに大騒ぎする母親やアタマを抱える担任教師などに、そんなんじゃないのに、と困惑しつつ結構冷めた目でまわりの大人たちを見ている、という内容。

彼女と話したわけじゃないけど、何となくそんな風に感じた。
その年ごろのビミョーな心理っていうのかな。
彼女とシンクロする部分があったのかもしれないが、今となってはわからない。

文化祭のあと、クラスで打ち上げをした。
初めてよそでお酒を飲んだ。
当時はチューハイなんて飲みやすいものはなかったように思う。
お酒を飲む、といえばビールかウイスキーだった。
水割りか、せいぜいコークハイ。
そんなに飲んだわけじゃないけど、自分の酒量もわからないので酔ってしまって吐いた。何人かそんなコたちがいたようだ。
横になっていると、例の「飛んだ」彼女がタバコを片手にそばに来て
「誰かキスしてくれた?」という。
首を振ると、いきなりかぶさって来て、やわらかい唇が重なってきた。
舌をちょっと入れてきて、すぐに離れていってしまった。

酔っ払ってぐるんぐるんしたアタマで「ゲロ吐いたばっかりなのに」と思った。
別にイヤな気持ちはなかったな。
それが私のファーストキスだった。

彼女は文集を読んだらしい。
読んでいるところを見たのか、本人がそう言ったのかは忘れてしまったけど。
感想を聞いたわけじゃないけど、私が書いたものが彼女の気持ちと重なるところがあったのかもしれない。
その後話し掛けてきたことがあった。
他愛もないことだったけど。

卒業後、三味線の名取だった彼女は芸大に行った。
その後はクラス会もなく、どうしているのか知らない。
卒業して25年かぁ…(どぇ~!に、にじゅうごねんかい)

なんで唐突にそんなことを思い出したのかなぁ。
人間の頭の中って不思議。
それとも近いうちに何か関連したことが起こるのかしらん。
そういうことってときどきあるよね。