以前マンハッタンで暮らしていたのは、50階建てのアパートメントでした。マンハッタンではこの規模のマンションはさして珍しくもなく、周りは全て高層なので、たとえ20階に住んでいたとしても、窓からの景色は周りの建物に遮られてしまいます。かく言う私もハドソンリバーを臨めるいわゆるリバーサイドとのフレコミでウキウキ入居したのですが、19階だったために周りの建物の隙間からちらりと覗く川の景色で満足せざるを得ませんでした。そういう悪環境の中で、マンション住民の楽しみといえばインテリア。皆なそれぞれに趣向を凝らして自分の生活空間を彩っておりました。私たちは日本の賃貸マンションの先入観(原状回復義務が厳しい)から、ほとんど壁釘を打つことさえハバかられ、ポスターをセロテープで貼るのがやっとのこと。それでもなんとかリネンやお花で、自分スタイルを断行していました。そんな中、マンション入居者に友人が出来、お互い行き来するようになりました。そこで私が見たものは・・・。壁が鮮やかなパープル・・・。またはグリーン…。あるいはレッド・・・。そう、彼らはそれぞれ、家具やリネン、カーテンなどのマイナーチェンジに飽き足らず、各々壁まで塗り替えてしまうのでした。しかも、退居時寸前にわかったことは、マンションのオーナーは、そういう壁塗り替えを承諾している、とのこと。たしかに、ニューヨークのマンションの内壁は、そのほとんどが、真っ白のペンキで塗られています。築50年とかザラにあるため、恐らく何百回と塗られたその白壁は、ペンキの厚さで戸が閉まらないほどでした。入居者が変わると、ほぼ無条件に真っ白のペンキを塗るので、あまり元の壁の色など気にしないようで。しかもその作業は恐ろしく雑で、ほんまに業者さんがやったの?っていう素人風味な仕上がりです。そーか、そうだったのか。。。そこで悔しい思いをしたことは言うまでもありません。とはいっても、さすがにパープルは「センス悪っ!」ですけどね・・・。いや、それにしてもオーナーの心の広さ、入居者たちの自由感には恐れ入りました。。。