今日、最後の打ち合わせを終え飯田橋の駅に降り立った私は、駅ビルにて休憩していた。

雨も上がり、テラスで一休み。

(あとは友人と会うだけだから、一度ウチに帰って夕食の準備して。。。。)


なんてつらつら考えながら


ふと足元を見ると、なにやら緑色した手帳が落ちている。


何気に拾い上げてみると、 パスポート。 しかも "Philippine゜と書いてある。


恐る恐る中身を見て見ると、 ホンモノ   ←あたりまえ


そして、メモの切れ端が数枚挟んである。 さらに、二つ折になった千円札が何枚も。


とっさに、 (交番行かなくちゃ) と、歩き出した。


(パスポート無くすなんて、なんてボケてるんだろう。)


なんて思いながら、だけど、本人は今頃青ざめているに違いない、と迷わず駅前の交番に入っていった。


交番には二人。新米らしき警官さんと、兄貴分。 パスポートを差し出しながら事情を説明すると、二人、途端ににこやかに、私にイスを勧める。


座ってみると、一枚の紙切れ。 住所や名前を記入して、アンケートに答えていく。 手際がいいのはアニキの方で、新米クンはいちいちアニキに手順を聞いている。 首まで真っ赤な新米クン。 ペンを持つ手が震えている。 緊張をほぐそうと私に冗談を言うが、スベりまくっている。


で。


拾得物の内容を記入する欄にさしかかり、パスポートの中をパラパラ見ながら、こう言った。


僕「僕の先輩でね~、ペルシャ語できる人いるんですよね。その人に見てもらったら読めるんだけどな~」

私「む~ん。。フィリピンってペルシャ語でしたっけ。。。 あ、ところで何か紙切れ入ってるんですよね。ここに住所らしきものが。。。 」

僕「あ、ホントだ。だけど、友達の住所かもしれないし。。。 それにしても、なんていう名前なんだぁ~??」

私「あ。マー○ィン サ○○スさんって書いてありますね。」

僕「え、読めるんですか」

私「て。英語ですがな」

僕「え。」

私「ローマ字ですって」


・・・さらに首が真っ赤になる新米クン。 アニキは、そんな新米クンを暖かい目で見つめ。。。 ・・・ほのぼのとした間・・・・


と、その時。 腹巻にモモヒキ履いたカトチャンスタイルのおっちゃんが、転がり込んできた。


おっちゃん「ごめんよ~」  ←ここは銭湯か

アニキ「何でしょう」

お「ワシ、さっき救急車で○×病院に運ばれたんやけどな、住所は新宿区百人町なんやけどな、病院でもう帰っていいって言われたんやけど、電車賃がないんや」


救急車云々…の割りにはピンピンしてるおっちゃん。


ア「はぁ、で。どちらまで帰られるんですか」

お「新宿に決まってるやろう!まぁここからなら160円くらいやないかって思うんやけど、絶対に返すから、貸してくれへんか」

ア「はぁ」

お「ワシはちゃんとした身分や。借りたもんは返す仁義がある。ここにはいつも来るから後で絶対に返しにくる」


仁義って…おっちゃん、おおげさな。


ア「…はぁ。で、何か身分を証明するものありますか」

お「え。アンタ、160円借りるのにそんな面倒くさいんかいな」


仁義ある割りに、なんて適当な。。。


ア「はぁ。。。でもね、警察は、基本、お金は貸さないですから…何か身元がわかるものを見せてくれないとね。。。」


・・・こうしたやりとりが延々と続いている。


新米クン、私にぽそっと、

「毎日、こんなですよ。。。」 「貴女のような人ばかりだったら、いいんですけどね。。。」


交番の中で警官さんたち、いつも色んな人たちに対応しているんだなぁ。

私はいい人なのか?

でも。

パスポートと一緒に入っていた9千円。 半年後、持ち主が現れなかったら貰うかどうか聞かれた時、 取りに来ます、と言ってしまった、セコイ私。


そして。 半年後の日付を、自分の手帳にしっかりと書き込んだ。


だけど。

パスポート貰っても。

困る気がする。

っていうか、困る。。。

異国のパスポート持ってるのは、 怪しすぎる。。。もんな。。。。





持ち主の人、現れるといいな。。。