ネイサンの動画観てて面白いコメント見つけたのでさり気なく引っ張らせて頂く。レスの部分が何故か消去されていて(消去前にコピペでゲット)あまり公になるの好んでない可能性もあるので、どの動画かは特定せず名前もAとBってことで。熱烈なネイサンファンであること以外不明、二人共中国語が分かるみたいだからネイサン同様中国系アメリカンかも、或いは英語に長けたチャイニーズ?Aさんは武道オタクのアメリカン、レスしてきたBさんはチャイニーズって気がしたけど本当のところは分らない。性別も何となく男性?って感じて訳もどんどんそれらしくなっちゃったけど、そう感じたのは単に自分に男女差別のバイアスが掛かってるせいかも知れない。
演技はSpace Song 。おそらく「え?
」という反応が大半だろうけど気にせずざっと訳します。私的にはめっちゃ面白い、でもめっちゃ長いのだ。とてもコメント欄の対話とは思えない![]()
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A:この動画を数え切れないほど観た。これまでのネイサンのスケートと異なると思う点は次の通り
1)ネイサンの動きの完璧な丸み。『全ての』動きに丸みがある、スパイラルを描く腕使い、円形に回り込む足、一つの円が開いて次の円に繋がる、内外上下に回転して自らを抱擁するあの美しい跪いてのダンス、顔や身体を縦横無尽に隠したり現したりする煌めく手のブレイクダンス・シークエンス、氷を中心に手を軸にして回る動きも。
2)第二に、足→体→腕→手→指→頭と身体全体を通して全く滞りなく、未だかつてない完璧さで『氣』が自由に流れている。つまり動きが完全に自由で流動的であり、身体の全てのパーツが完璧に統合されている、動作は丸みを帯び『しなり』『波打つ』が如くだ、だからこそ彼は足→腕→肩→頭そしてまた元へ、と一つの途切れのない動きで『氣』を流すことが出来る。自己コレオのBack from the Edge、The nights 或いはNext to me といった過去のエキシビションでのスケートを見てみると彼の動きは今より角ばっている、『弾く』ように或いは『打つ』ようにエネルギーを外側に向け放っていて、腕や手は彼の中心から外へ打ち出されているかのようだ.。ところが今はエネルギーが違う。彼はエネルギーを巻き込んでいる。全てが円形だ。尖ったところがない。腕を上方へ伸ばしても直ぐにまた折り畳むか巻き戻すかする、常に指先から。もはやエネルギーを弾き出していない、巻き込み巻き戻し、(自分の)周りに巻き付ける。太極拳の表現を借りるなら、ネイサンはスケートに於いて『氣』をマスターしたと言って良いだろう。『氣』をマスターしたスケーターは彼が唯一で世界初だ。いや、変に聞こえるかも知れんが、本当に、この男はフォースに入ってる、フォースが彼の内にあり、彼が即ちフォースだ。彼の『功』(=技術)は完全に新しい内的レベルの名人芸に達している。驚異だ!!!! 中ほどの跪いたシークエンスは短いが見ていて畏怖を感じる、カメラがしっかり中心に捉えていないのが残念だ・・・あの瞬間繭から蝶が出るようにダンサーが出現する・・・あの一連の動作の美しさ流動性は偉大なダンサー達を想起させる!跪いた姿勢から立ち上がり旋回して静止するシークエンスのフットワークはよりスムースで丸くなるよう研磨する余地がある・・・が、それでも大したものだ! 最後の部分は文字通り小さな内的巻き込みのシークエンスからなっていて、足→腰→中心、腕→中心と広がったエネルギーを集めて、更にそのエネルギーを中心から真っ直ぐに足の裏(或いはブレード)を通して地面に流す。"Shou Gong"《收功》(文字通りエネルギーを収容すること)それでエネルギーを中心に戻し地に返す、のテキストブックにあるような好例だ。ネイサンに太極拳の経験があるとは思えないが、にも拘わらず彼は『氣』をマスターしている、エネルギーを巻き込む一つ一つの動作は間違いなく直観的で完全だ。実際この(演技の)全てのルーチンが驚くほど丸いので、観るループが止まらなくなってる!!!! 笑笑
Bのレス:(原文は中国語)わお、私にはネイサンが古代中国の道教の精神を理解しているとは思えない、だけど何故か分からないけど彼からは”Dao”(道)を感じる、同様に”Chan”(日本語ではZen=禅)の精神も、そして戦士のスピリットも。もし彼のフィリップグラス・メドレーを観ていたら是非感想を聞きたいな。
Aのレス:そうだね、完璧に同意する、ネイサンはアメリカンパイにも負けないくらいにアメリカンだ、呆れるくらい充分に。彼の中国語はかなり酷い、多分彼が唯一苦手なことなんじゃなかろうか(笑笑)、この一事だけでもどれだけ生粋のアメリカンなのかわかる。彼が中国文化や哲学に興味を持っているとは思えない、道(Tao)も禅も功夫も知らないだろう、にも拘らず彼はその全てを体現している。私はよくネイサンが古代中国にいたらと想像するんだ、彼は中国の文武双全(文武両道)の理想像だと思う、学士としても戦士としても完璧、多分学者兼任の将軍あたりがピッタリくる。極めて、極めて稀有な人類品種だと思う。
Aレス続き:Dao(道)の体現者であることの一例、上のプログラム Space Song を観ればネイサンが陰陽の完全調和に到達しているのがわかる、動作は水のように、光のように、エーテルのように優しく流動的、だが内核は火と鋼鉄で出来ている、どの瞬間でも彼は水を火に、エーテルを鋼鉄に変換させることができるのだ。
彼が”Chan”に到達していることについて:”Chan”はサンスクリット語の”Dhvan”または”Dhvana”の中国語訳、日本語では”Zen”と訳されている。Dhyana、Chan、Zen(禅)とは・・・基本的には最も深い瞑想の状態、心が完全に観想する対象と一つになり無我の境地に入った状態をいう。瞑想には二つの要素が含まれる:1)集中2)マインドフルネスだ。ネイサンのフィリップグラス・メドレーをどう思うかというBの問いに応じて・・・”Chan”を用いて簡単に述べたいと思う。ネイサンは動きの中でマインドフルネスと集中をなす達人だ、そうだ彼を禅マスターと呼んでもいい。その常ならぬ集中力とマインドフルネスの故に彼はスケートで完璧さの頂点を極め、プレッシャーが掛かる中でも完璧なプログラムを演じ切る事が出来る。彼のスケーティングは動く瞑想であり、観想の対象はプログラム中の各エレメンツだ。ストックホルムに於けるフィリップグラス・メドレーで彼の集中力とマインドフルネスは完成状態に到達した、プログラムの全てのエレメンツが一つに融合し、スケートの只中で無我の境地に至った。その瞑想的スケーティングの深さはBBCコメンテーターをして恍惚状態に陥らせたほどだ。この世のものとは思えぬ、超俗的(Supra-Mundane)演技だった。
言いたい事はまだまだあるけどこれからデイナーなので失礼する。中国語訳は後でつけるよ。
Bレス:返答ありがとう。まさか答えてくれるとは思わなかったんで消しちゃったんだ。ネイサンは素晴らしい人だよ、自分の骨髄に中国人としての刻印が刻まれてる事に多分気づいてもいないんだろうね。米国文化と中国のルーツが彼の中で見事に融合している。極めて興味深いことだ。
そうだな・・・上手く言えないけど、彼が中国系アメリカンとして開花していく様を見るのはとても楽しい、見ていて本当に美しい。ネイサン・チェンからアメリカンであることを取り除くのは不可能・・・米国は彼に多くのものを与えた、彼は完璧にアメリカンだ。同時に中国移民という遺産のないネイサン・チェンというのも考えられない、それは彼の内に遺伝的文化的に刻印されているから。彼は両方に忠実であり、それぞれの一番良い部分を体現している。見ていて感嘆するよ、まるでユニコーンを目撃したような気分だ(笑)
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以上です。
え、そこまで言う?!と気恥ずかしくなる部分もあるが基本的には同意する内容。往年の武術オタで今も気功や太極拳で『氣』の鍛錬に余念のない私にとって、あのグラスメドレーこそ禅の極みというのは納得せざるを得ない。アメリカンドリームの申し子(=ミスターアメリカ)と中国古来の太極老師を兼任だなんて、そりゃあネイサン最強だよね~![]()
Aさんは別のコメでは別の方とネイサンのアーテストリーについてこれまた負けず劣らずの熱く長い議論を展開している。灼熱のネイサン愛と自由自在な文章力の両方に脱帽だ。
五輪覇者となってネイサンが母国でどれだけの人気を持つに至ったかは正直わからない。わからないが、ファンの質は相当のものだと・・コメントちょっと流し読みして思った次第(まあ、書き手がどこの国の人かはわからんのだけど)。