これ、ほぼフィクションとして読んでください。
只の私感及び妄想です
羽生君の凄さってのはもちろん技術力や表現力やカリスマ性も大いにあるんだけれど、一番は何と言ってもその常軌を逸した勝つこと(達成すること)への執念だと思ってる。一度やると決めたことはどんなことをしてでも必ず成し遂げるという執念。これがもう突出していて誰も足元にも及ばない。
そういう彼に我々が初めて遭遇したのがかのソチ・シーズンだった。
正確な時期は知らないけれど、ある時羽生君はソチで金メダルを獲ると心に決めた。オーサーに師事を仰いだのもその為。
当時はパトリック・チャンの天下で、ソチも彼が持ってくだろうというのが大方の見解だった。
すなわち、チャンに勝つことがイコールソチ五輪の勝利。
そう悟った羽生君はがむしゃらにパトリックに食らいついていった。本当にもうなりふり構わず、もの凄い集中力で彼から学べるものは全て学ぼうとしていて・・・試合後のインタでもパトリックの番になると羽生君の目つきが変わってた。あれはもう伝説だね(笑)
今にして思えばパトリックはあまりに甘かった。でも無理もないとも思う。当時はまだ、まさか羽生君があのような凄まじい存在だとは誰も知らなかったんだから。シーズン初頭は余裕で、ああ、頑張ってるな可愛いね・・位に思ってたんではなかろうか。
それが、それが・・・ふと気づくと、凄まじい勢いで背後から追いすがってくる存在になっていた。阿修羅の如く、魔神の如く・・
羽生結弦の本性が見えた瞬間
その時の恐怖いかばかりか・・・
五輪本番では羽生君もミスをしてパトリックは普通の演技をすれば勝てていた。しかし勝てなかった。だから敗因は彼自身にあって羽生君にはないようにも見える。が、私はそうは思わない。
二人の闘いはシーズンの早い時期から始まっていた。そして多分、勝敗も既に決っしていたのだ。
ソチに登場したパトリック・チャンは最早半年前の自信に満ちた絶対王者ではなかった。表面的には平静を装っていても、心の中には疑いと恐れが巣くっていた。勝てるわけがない。
絶対王者の名称はもはや彼のものではなかった。
これが羽生伝説の始まり。
その後も驚異の連続世界記録更新歴と共に、スポコンドラマ顔負けのエピソードが目白押しだが、きりがないのでここでは割愛する。
時は4年後の平昌五輪
シーズン初期で負傷して人々の前から姿を消していた羽生君が、忽然と平昌に姿を現し2度目の五輪ゴールドを掻っ攫った。
この頃には既に彼の無敵伝説は出来上がっていて、ファンの間では彼が願うなら可能では、という信仰に近い思いが充満していたし、一般のフィギュアファンにも羽生君ならやるかもという感覚はあった。が、まさかいくらなんでもという意見も少なくなかった筈だ。
それを実際にやってのけてしまった。
まさに羽生伝説完成の一瞬と言っていい。
誰よりも羽生君自身が己が力の強大さを実感したのではないか。
負傷が癒えず練習不足な状態であのような完璧な演技(特にSP)をなし得たことも驚異だが、それと共に「俺が命懸けで決意すればなし得ないことはない」という、既にある程度存在した感覚がいよいよ確かなものとなっていったに違いない。
そして迎えた翌シーズン
五輪明けなのでのんびりしててもよさそうだが、初っ端から羽生君がまたもや負傷休場という事態で俄然前年のリピート感が。
他の試合を全てスキップしてワールドに賭ける決意をした羽生君。
彼のファンは当然平昌の再現を信じた。
奇跡の男羽生結弦の辞書にはもはや不可能という文字はない。
が、この頃には羽生君近辺と比べて地味ながら、ネイサン側の伝説も密かに構築され始めていたんだよね。
出るからには羽生君が失敗する筈がない、必ず神演技をする。大方のネイサンファンは結構冷静にそう思ってた気がする。勝ちたければネイサンはそれ以上の演技をするしかない。ネイサン自身もそのことは充分認識していて、ちゃんと準備をしている。
そういう確信を持っていた。
誰が計画したのか知らないが、これ以上ないってくらいのお膳立てで迎えたワールド決勝。
SP劣勢からここで逆転優勝すれば羽生伝説にまた新たな一章が加えられる。その為のお膳立てだと・・きっと羽生君は自分に言い聞かせたんじゃないだろうか。
しかし、ネイサンにはネイサン側のストーリーラインがあった。
平昌のSPでは羽生君後の滑走で大失敗した。その二の舞になるのではの声も高かったが、ネイサンが同じ失敗を2度繰り返さないことをファンは既に直観的に知っていた。
会場で観ていたらまた違ったのかも知れないけど、TVの実況を追っていた私は不思議なほど冷静だった。
羽生君の神演技も想定内
その後会場がもの凄い雰囲気になったのも想定内
プーシャワー乱舞も想定内
もう勝ったみたいに盛り上がってる会場見ながら
「300ギリギリ、思ったより出なかったね。あれ?それでネイサンに勝てると思ってる?マジで?」と、不思議な気持ちになったの覚えてる。(Have I missed something?)
彼の演技が始まりシーズンベストが189なのに気づいて、あ、そうか~となったけれど、それでも全米で一度パーフェクトやったからには普通に再現出来ると思った。もし雰囲気に飲まれて失敗するようなら、まだ時ではなかっただけの話だ。それはそれで良し。
翌日BABEさんがブログで似たようなことを仰っていて、やっぱりネイサンファンは皆そんな感じだったんだなあと納得した。
そう、全て想定内だったワールド2連勝
余裕!!(笑)
以上がネイサン側の展開だが、羽生君側から見ると当然話しが違ってくる。
誤解のないように言っておくが、私は羽生君はあれで勝ったと思ったわけではないと思う。聡明な人だからネイサンの実力もちゃんと把握していたに違いないし、SPであれだけ差がついているし。あの瞬間の『やったぜ!』はやり切れたことへの満足感に尽きるだろう。
が、同時に、心のどこかで思う所があったのではないか、「自分が死力を尽くしたら奇跡が起こる筈」と。これはもう理屈ではない。
あの時起こりうる奇跡といえばネイサンがミスをすることしかないのだが、羽生君がそれを願ったとは思わない。
が、それでもだ、何かが起こる筈、自分は天運を動かせる者なのだから・・!!という思いが確かにあったと私は思う。
あれは羽生結弦がフィギュアスケートに於いて、天運を動かし切れなかった最初の体験ではないだろうか。
自分の魔力が通じない相手が存在した。
その衝撃たるやいかばかりか・・
あの時羽生君は自分と同類の人間に初めて遭遇したんだと思う。
だからこそ尊敬という言葉が突いて出た。
ええ、二人はこれ以上ないってくらいあらゆる意味で真逆のタイプですよね。
でも同類なんです。
モスラとゴジラを生き物としては全然別種ながらモンスターというカテで一つに括れるのと同じ理屈です(笑)
普通の者なら引退を考える場面でしょうが、そこは羽生君、逆に燃えた、めっちゃ燃えあがった。
FOIでの輝く姿がその証だよね。
彼は元来追う立場でこそ本領を発揮できるタイプでもありますしね。なんたってあのパトリック・チャンをとことん追い詰めて叩き潰した人。
ネイサン・チェンはその恐怖の追撃に耐えられるのか?
この二人が絶好調で激突したら、ヤグプルのブリザード記憶さえぶっ飛んじゃうかも。歴史的頂上対決になるのは間違いない。
私はネイサンファンだから彼の勝利を願うけれど、それ以上に二人の血みどろの死闘を観てみたいなんて思う。
それにヴァージョンアップしたロシアンな宇野君や昨季で勢いに乗ったヴィンセントあたりが絡んでくれたらもう最高だね。
宇野君は凄いスケーターだし器の大きい人だと思うが、恐らくモンスターではない。でも、ゴジラ映画でも人間が大活躍することはあるし、怪獣倒しちゃうことだってあるから、勝機は充分ですよ。
さあ、第二ラウンドのゴングが響く・・
to be continued