私が知り合った当時のシモーナは、すでにエッセリーニだけを
仕事にしていました。


彼女自身は根っからのアーティストなので、いわゆる経営や
事務といったことが大の苦手。


素敵なものを作っているにもかかわらず、生活はそれはそれは
厳しいものでした。


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初めて彼女の家に泊めてもらうことになり、息子(当時4歳)と
一緒に3人でスーパーへ行ったときのこと。


息子が、「マンマ!ボク、サラミ食べたいサラミと言いました。
サラミの値段を確認するシモーナ。


くるりと息子の方を向いて、


「いい、これは7ユーロするの。でも、ママはいま5ユーロ
(700円ぐらい)しかないし、ユウコの分のご飯も買わないと
いけないから
あきらめなさい・・・ぽけーっ


「分かった・・・」
と、しおらしい息子。


いやいやいや、イタリア製のサラミが千円しないで買えるなんて
安いものですよ。おまけに、私のために我慢させるなんて
申し訳ないあせる


ということで、そのときは「じゃあ、私がこのサラミ買うから
あとで一緒に食べようグッド!ということになりました。


シモーナは、「ユウコ、いいの?気を遣わなくていいんだよにこ
と笑ってましたが。


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それだけ厳しい生活をしていたシモーナさん。
でも、素晴らしい作品を作っているにも関わらず、それだけで食べて
いける人というのは
日本国内外を問わず、本当に限られたごく一部
なんですよね。


そういう人を見るたびに、なんとかならないかなと考えてしまいます。