こんにちは。
今日は歌の分析についてです。
私は最近いろんな歌の分析をするのが好きなのですが、みなさんは、曲を習得するとき、どんなことに意識されていますか?
ピッチ?拍子?アーティストのエモーション?歌詞の内容?
人それぞれいろんな聞き方がありますよね。
曲の中には、感動する仕組みがたくさん、本当にたくさん散りばめられています。一音一音といっても過言ではないです。
ですので、レッスンでは、メロディの音を一つ一つ、私がデモンストレーションで出し、そのあとに続いて生徒さんにも一つ一つ出してもらう。つまり一音一音の表現をコピーしてもらう、というようなことをすることがあります。
それはさておき、今日は歌を分析するときにのポイントをいくつか挙げておきます。
①ブレス
わかりやすいところであれば、アーティストはどこでブレス(生き繼ぎ)をしているか、を聞いてみて、コピーするだけでも、曲の印象はずいぶん変わります。
②抑揚
フレーズのどこにアクセントがあるかも聞いて
みると面白いです。平板に聞こえるフレーズでもどこかに起伏があるものです。
③音の上がり下がり
音が上がると感情は高まるようにできています。そのフレーズで高い音はどこか、その前の音たちはそこに向かってどんな役割をしているか、高い音のあとはどのように収束しているか、などを聞くと気づくことがあったりします。
④休符
休符、お休みにももちろん意味があります。休符がないと、フレーズは出来上がりません。 水墨画では、余白で表現をしたりしますが、それと同様、メロディの中の休符も表現です。「やすみだし、やることないな〜。」というのが休符ではありません。「音を出さない時間を刻む演奏」のことを休符と思ってください。
休符の取り方は、歌を本当に大きく左右します。
⑤曲の構成
Aメロ、Bメロ、サビ、大サビなど、曲のセクションを理解しておくと、自分は曲という大きな旅の中のどの辺に立っているのか、が見えてきます。一つ一つの音の表現がミクロ的とするならば、曲の構成はマクロ的だといえます。Endingまでの大まかな道のりをマクロ的にとらえて、その道のりの中でどんなドラマがあるのか、そのためにそのセクションはどんな役割をしているか、という聞き方をすると、曲のダイナミクスをつけやすくなります。
そのほかにも、ビートやリズム、コード感、などたくさん感動の仕組みが転がっています。いろんな仕組みを発見することは面白いですよ。
ちなみに、曲が分析できても、再現できないことがたくさんあるかもしれません。ですが発声がととのってくると驚くほど分析したとおりに歌えるようになる日が必ず来ますので焦らずにいてくださいね。
人間はイメージできることしか、実現できないものです。感動の仕組みを、来たるべき日に備えて、たくさん発見してみてください。