こんにちは。
今日は歌唱指導について触れてみたいと思います。
今更ですが、みなさんはボイストレーニング、というとどんなイメージがありますか?歌のテクニックの訓練でしょうか?
わたしが行なっているレッスンは、ほぼ発声練習がほとんどです。
歌でこんな風に表現したい、と思ってもうまくいかないのは、発声が整っていないからです。歌を自由に歌いこなすには、まずは、声を整えることが大前提と考えています。
ここ一年くらいの間のレッスンでは、生徒さんの本来の声がでると、歌の上手い下手とは違う次元で、確実に心に響く歌になるように感じています。
さて、ある程度声が整ったというところで、感動する歌を歌うには、歌唱指導としてやっていくことは何か。色んな側面があると思います。
例えば、絵を描いてその曲のイメージを描き切る、曲の主人公になりきる、かっこよさを追求する、など様々な手法があると思います。
ですが、わたしが最近考えているのは、基本は楽譜に忠実に、原曲に忠実に、ということです。
物事の「守 破 離」という言葉があります。まずは教えられた事を守る、次に教えを破る、最終的には離れて新たなスタイルを創造する、という意味だと思います。
自分らしく、個性を出して、と焦ることもあるでしょう。でも、それは守破離の「守」があってこそ。
どんな曲かを、(オリジナルであっても)理解する。それではじめて楽しく歌えたりするものです。
原曲をどんな風に歌っているか、しっかり聴き込む。曖昧なところがあれば、しっかり楽譜でチェックする。それで理解して歌えれば、9割は自分も周りも納得のいく歌になると思います。
先日のレッスンではフレーズの終わりのメリスマ、音の上がり下がりを適当に処理してしまう、という生徒さんが、きちんと音符の数を理解し、リズムを一緒に確認しただけで、うんと楽しく歌えたようでした。歌のクオリティもぐんとアップしていました。
そうやって、まず、原曲通り、楽譜通り歌えればそれだけで成立するものなのですが、それをするには、結局声が整っていないと無理です。「守」を成立させるにはまず、声なのです。
ピアノでドの音が出ないと弾けない曲がたくさんあるのと同じで、楽器が完成されていないと演奏できない曲が多くなってしまいます。
まずはベースとなる自分の声を大事に育てていきましょう!