こんにちは。

 

声について思いを馳せたことを【ボイストレーニングコラム】として綴っていきます。

 

泣きたい時、怒りたい時など、気持ちを発憤したいとき。

 

どんな声をあげるか。

 

わたしは長い間、どうやって、どんな声で、泣き喚いたらいいか、怒鳴ったらいいのか、わからなくなっていました。だから、人前で泣きわめくことも、怒鳴り散らすこともなく、ほとけとよばれることもしばしば。

 

でも本当のところは、毎日いろいろな気持ちが渦巻くものの、理性的に考えて抑えていました。

 

泣き喚いたり、怒鳴ったりすることがいいことかどうかはさておき、泣きたくても心から泣けない、怒りたくても怒れない、というのは感情を消化できない、心の糞詰まりのような状態になっていたと思います。

 

さて、言葉ができる以前の人類は、言葉以外の声の音色、大小などでコミュニケーションをとっていたそうですが、言葉が出来てから会話に必要な喉の筋肉しか使わなくなり、それ以外の喉の筋肉(歌で必要な筋肉)が退化していったそうです。

 

言葉のおかげで理性的にコミュニケーションがとれるようになったのはいいけれど、感情の発露という面では退化しているのかもしれません。

 

感情のままに声を荒げたりするのは、社会に適応する上ではNGですが、昂ぶった感情を感じたそのままに声に乗せることで、はじめて自分の感情を感じた通りに出したり、伝えたりしたことになるのに、それをおざなりにしてしまったら精神衛生上良くなさそうな気がします。

 

発声に必要な喉周りの筋肉は人の感情とも密接なつながりがある、という研究報告もあるそうです。こういった筋肉の訓練によって演技や感情のコントロールもある程度までは鍛えていくことができるというという見解もあります。

 

自分の本当の姿、本当の内面、というのは声にあって、その声をしっかり出すことが、感情を安定させるためにも大事なことなのかもしれません。