我が家は、大阪へ出るのに一時間ほど。

もの凄い田舎ではないけど、緑多き田園の残る地域。

田畠に加えて、山の一部分に土地がある。


山に足を踏み入れる事は普段めったにない。

でも、正月にはウラジロを採りに行ったり、小さい頃には松茸狩りをした。

祖父が元気な時は木を切り出して薪にしたり、クリスマスツリーにモミの木はなかったけど替わりになるような木を伐ったり。

あの山で、嗅いだ匂いや木々、草むらの感触。

腐葉土になったふかふかの土の上を踏みしめた記憶はまだ体に染みついている。


その山には神さまがいて、毎年お供えをしていた。

山はそれ自体が神であり、山への感謝と、畏敬の念からくる行為だったのだと思う。私はそういう自然との向き合い方が嫌いではなかった。

そんな山も、工業開発の波にあっさりのまれることになった。


山の神さまはお怒りかなあ。