NLPについて、外部からの批判としては、似非科学学問ではない(学術論文が少ない、臨床試験によるエビデンスが不足など)、準宗教だ、とかがある。
NLPの創始者の分裂や、各流派に分かれている点も批判の的だ。コミュニケーションや葛藤の解決を説いていながら、自分たちは葛藤を解決していないという皮肉。
あとは、NLPの前提の「失敗はない。フィードバックがあるだけ」を取り上げて批判しているところなど。

● 疑似科学との批判

英語圏では以下のような疑似科学だとの批判もあり、学術界からはほとんど無視されている。

Among the reasons for considering NLP a pseudoscience are that evidence in favor of it is limited to anecdotes and personal testimony, that it is not informed by scientific understanding of neuroscience and linguistics, and that the name "neuro-linguistic programming" uses jargon words to impress readers and obfuscate ideas, whereas NLP itself does not relate any phenomena to neural structures and has nothing in common with linguistics or programming. In fact, in education, NLP has been used as a key example of pseudoscience.
(NLPを疑似科学とみなす理由は、NLPを支持する証拠が神経科学や言語学についての科学的理解によるのではなく、エピソードや個人の証言に限定されている。「神経言語プログラミング」という名前は、専門用語を使って読者を印象付け、その考え方を難読化させている。その一方でNLPは、神経構造とは何の関係もなく、言語学プログラミングとは何の共通点もない。実際、教育の現場では、NLPは疑似科学の主要な例として利用されてきた)

この手のものは大衆化した段階で、短期間のトレーニングを受けた人が講師としてあちこちでセミナーを開くようになり、学術界からは軽視されるようになる。

ただ、これらのNLP批判は、NLP開発者や実践者に何の影響も与えないだろう。というのも、科学的根拠・証明があるかどうかよりも効果があるかどうか、そこが重要なところだからだ。ニセ薬だったらともかく、その場ですぐに効果を実感できるものであれば、批判は大した意味を持たない。

● 誇大広告
NLPの効果をあまりにも大きく宣伝している点。これは、それぞれの主催団体がビジネスでやっている以上致し方ない部分もあるが、高額なセミナーで参加者を募っている以上、批判は避けられないだろう。

● 常に速やかに解決するとは限らない
NLPのセラピストは、短時間で問題を解決しようとする。なんとか結果を出そうとする。簡単に解決しようとしている姿勢そのものが反発を招くことにもなる。しばしば、簡単な解決よりも深い教訓が欲しい場合もある。

一方、精神分析や認知行動療法のセラピストは、分析と称して、クライアントに長話をさせ、問題の核心にたどり着かないこともある。どちらがいいのか一概には言えない。

また、複合的要因が絡む複雑な問題は、要因が一つには特定できないため、一時的に解決できたように見えたとしても、一部のパートは奥底に眠ったままか、抑圧されて気づかないか、妥協しているかになる。常に、長続きする、劇的な改善を期待すると裏切られることになる。

● NLPの不足点

NLPは様々な分野に応用が可能だが、あまりにも多くのテクニック、広範囲にわたる応用範囲からすると、NLPですべてカバーできるように思えてくる。
しかし、他の心理学の研究の成果をいいとこどりしているように見えるが、NLPの性質上、すべてを取り込めない。現状ブリーフセラピーの一種とみなされている。

NLP自体がコミュニケーション研究から出発したのではない。心理療法、セラピーの現場から生まれているので、その要素をセールスに活かすことはできるが、セールスにおけるコミュニケーションのすべてではない。要素としては物足りない部分は否めない。

正常性卓越性の研究としているが、卓越したセラピストの研究から始まっている。また正常な人の研究と言っても、異常者を治すため、異常者との対比が中心である。

モデリングをセールス、教育、スポーツに応用してもよさそうだが、NLPのモデリングを使ってというのはあるが、パールズ、サティア、エリクソン以外のモデリング対象で行ったことは聞かない。有能なセールスマンを研究したのではない。いつも、そういう分野に応用ができると言うところで終わっている。学習の4段階とか、あまりにも抽象化しすぎてしまっている。おそらく、セラピーと違って、汎用化しにくいのだろう。

 

なので、このブログでは、過剰な効果宣伝は行わず、現実的な活用方法を論じ、不足点があれば随時補足していきたい。