【タイトル】 やっぱり見た目が9割
【著者】 竹内一郎
【ページ数】 207
【読むきっかけ】 『見た目が9割』を買ったついでに買った。読んでからだったら多分買わなかった。
【何を得ようと思ったか】 動機は同じ。
【評価:★5段階で】
難易度:★★★
分かりやすさ:★★★★
ユニークさ:★★
お勧め度:★★
【要約・メモ】
「第一印象は0.5秒」というジョン・マナーの実験結果と、「人を見た目で判断してはならない」という倫理観との矛盾。
アンケートで第一印象を重視するかの問いに82%が「はい」で答えているが、これは第一印象が比較的正確だという実感があるから。人間が野生動物で野生の勘がある。それから「初頭効果」で2,3回目に会った印象が変わっても第一印象を変えにくい。それから「やまびこ効果」で、最初に「いい人」と感じると、次に会うときも気持ちが軽い、必然的に表情も柔らかくなり、こうなると相手も気が合うと感じ、双方表情も柔らかくなる。
「人は見た目で判断してしまうものだ」と意識することは、差別などの排除につながる。偏見に意識的な人の方が、無自覚な人よりもそれを修正できる。
生きていく上では非言語情報の意味するところを読み取る能力が求められる。
テレビや漫画で馬鹿になるのはなぜか
非言語情報の割合が活字の本よりも圧倒的に高いため、想像力を働かせなくても、だいたいわかるほど伝達されてしまう。概念化された言葉から、受け手は、頭の中で、絵と言葉を交換できる能力が必要。字を絵にする能力が磨かれなければ、絵を字にする能力も磨かれない。それは五感で感じたことを言語化できないということ。
一般人で、何の訓練もしないまま非言語コミュニケーションの達人になっているような人は、まずいない。
コミュニケーション能力で、見た目の力は不可欠。どう伝えるか、非言語情報への意識の高さが問われる。無表情で棒読みするのでは伝わらない。
外資系ではデブは論外。太りすぎは自己管理ができない人と思われて、雇われにくい。
日本=ハイコンテクスト社会(コンテクストを共有する度合いが高く、言葉でいちいち説明しなくても、意図を通じ合わせる文化)
空気を読む。
アメリカ:言語の習得も大事だが、非言語コミュニケーションも意識的で、重要な自己表現力。
日本のアニメが世界に浸透した理由
オーラのある人はどこが違うのか。ポイントは「異形」であること。本気で芸を見せた時。
外見というメッセージ
人は見た目からどんな性格特性をイメージするかの調査
第一印象が良いからうまく行きやすいとは限らない。「知的」と思っていたら、そうでもないことが分かり「見掛け倒し」と評価が急降下することも。
重要なのは、自分の見た目は他人にどう映っているのかを知ること。誤解されることが多いと分かってい生きているのと知らずに生きているのとでは対策も違ってくる。
姿勢をよくする
目前心後 目で前を見て、心を背中の後ろに置いてみる
表情
笑顔は感情、つまり心の問題だから、感受性を豊かにすることが、表情を豊かにすることにつながる。ここぞというときには感情が表情に出る方がいい。特にプラスの感情は表に出した方が、場の雰囲気がよくなる。
顔のストレッチ:
①額やこめかみ、頬のマッサージ
②瞬きの練習。目を強くつぶり、思い切り見開く。
③頬の筋肉のストレッチ。硬めのガムをかむイメージで、口を上下させる。
目は心の窓
目の輝き、目力=瞳孔の拡大。好奇心を持ち、感覚が鋭敏。魅力的なものを見、興奮状態のとき。←→目が死んでいる人
声をよくする方法
適正な距離感
面接は一瞬で決まる
杉村太郎氏:面接官は、君の素の部分を見ている。外面を良く見せようとしても素の部分を見抜く。「いい学生」は誰が見ても「いい」のである。
非言語コミュニケーションの領域に踏み込んだ仕事をしていると、小手先の技術が全く役に立たないことに気づかされる。人間の本質が問われてしまうのである。深いところでは技術が通用しない。
【感想】
表現論を羅列した前著に比べれば、タイトルから期待する内容に近くなっている。
とはいえ、本の後半になるにつれて、いろいろ学んだことを、つなぎ合わせて、ページを埋めた感じがしてならない。非言語情報のうち、視覚部分が多くを占めているが、聴覚部分が加わって、最後に一応触覚情報を加えた感じだ。
どれだけこれが役立つか、ということだが、見た目、非言語情報が非常に大きなウエイトを占めている、という点は強く再認識させられる。
自分は、第一印象がすこぶる悪い(ようだ)。とはいえ、自分で自分は見えない。時々鏡は見るが。そんなとき、どうしたら良くなるのかが分からない。本にあるような、目力、笑顔、表情豊か、姿勢だけだろうか。誰かにコンサルしてほしいところ。
ただ、本書の最後にあるような、小手先の技術ではダメ、人間の本質がにじみ出ているとなると、やはり本質を変えないととなるか。